パヤタイパレス :タイ国王ラーマ6世の宮殿

パヤタイパレス

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タイ国王ラーマ6世の美しい宮殿 パヤタイパレス

パヤタイパレス (Phya Thai Palace)は、BTSアヌサワリー駅前の戦勝記念塔からラチャウィティ通りを10分ほど歩いた右手にあるプラモンクットクラオ病院の敷地の中にあります。実はこの病院は、もともとタイの国王ラーマ6世(在位1910-1925年)がかつて暮らしていたパヤタイパレス(パヤタイ離宮)があった場所です。病院の中を歩いていると、突如として当時の美しい宮殿が現れます。宮殿の周囲は広々とした庭園に囲まれ、近代的なビルが立ち並ぶラチャテウィ通りで、100年前から変わらぬ姿を悠然と誇示しています。

パヤタイパレス

テーワローサパーロム宮殿

タイ王室で初めてヨーロッパに留学したラーマ6世は西洋文化に魅せられ、タイの西洋化を推進した国王として有名です。パヤタイパレスの宮殿は、ロマネスク様式、ゴシック様式、フレスコ画など、西洋建築の影響を色濃く受けています。同時に、タイの文化も融合させた独特の優雅な装飾が随所に施されています。西洋式バス・ルームや南国には必要のない暖炉もあり、遠い昔に異国を旅したサイアムの若き王子の好奇心旺盛で冒険好きな人柄をもうかがわせます。

パヤタイパレス

ラーマ6世の肖像画と暖炉があるホール


パヤタイパレスの歴史

病院と宮殿、この意外な組み合わせの成り立ちを理解するには、その歴史を振り返らなければなりません。その昔、この辺りがまだ田園地帯だった頃、ラーマ5世(チュラロンコン大王:在位1868-1910年)がここを新たな離宮とし、農作業を見学するためのファーム・レジデンスを建設したのが始まりです。

ファームレジデンス

1910年にラーマ5世が亡くなると、ラーマ5世の妻であり、ラーマ6世の母親である、サオワパー・ポーンシー王妃が、ここに新しい宮殿を建てて暮らしました。1919年にサオワパー・ポーンシー王妃が亡くなると、ラーマ6世は新たに本格的な離宮として現存する大きな宮殿を建て、1925年に亡くなるまで暮らしたのです。

パヤタイパレス

サオワパーポーンシー王妃が暮らした宮殿

しかし、ラーマ7世(在位1925-1935年)の時代になると、外国人を対象とした高級ホテル「パヤタイ・パレス・ホテル」に様変わりしてしまいます。タイ初のラジオ局もパヤタイパレスに開設されました。そして1932年に立憲革命が勃発し、絶対王政が崩壊すると、パヤタイパレスにはタイ陸軍の医療部門が設置されるようになり、その後ラーマ6世(モンクットクラオ王)の名前を冠したプラモンクットクラオ病院となって現在に至っているのです。 このように、王宮から二転三転とその役割を変化させてきたパヤタイパレスは、現在は近代的な病院のビルの横で、病院の職員らの熱心な活動によって、文化財として保存され、博物館として一般に公開されています。

パヤタイパレス

パヤタイパレスホテルの客室


パヤタイパレスの見学方法

パヤタイパレスでは、週に4日、ボランティアのガイドが交代で宮殿の案内をしてくれます。ガイドツアーの時間帯以外は、自由に館内を見学することはできませんので、館内を見学したい場合は、時間と曜日を事前に確認してから行きましょう。予約の必要はありません。王宮の入口付近に受付があるので、ツアーの始まる時間の少し前に受付に行って、見学者リストに記名します。タイの王宮では、肩や膝を露出した服装での入場が厳しく制限されていますので、服装にも注意しましょう。また、万一服装を忘れてしまっても、覆う布を受付で貸してもらえます。

パヤタイパレス

王宮見学の受付

宮殿ツアーでは、2〜3時間かけて、王宮内のほぼ全ての建造物を案内してもらえます。ガイドはタイ語のみ、しかも王室用語満載の難しいタイ語のため、相当な覚悟が必要ですが、各所に英語の説明のボードも備えられているし、何より宮殿の美しい装飾を見て回るだけでも十分楽しめるでしょう。また、タイの王宮としては珍しく、館内の写真が撮り放題なのも嬉しいです。 ツアーの最後は、ミュージアムショップに立ち寄って解散です。見学料はわずか40バーツで、ガイドさんもボランティアということですが、王宮維持費用の募金箱に寄付をしたり、ガイドさんへのチップを渡してもよいでしょう。 パヤタイパレス


パヤタイパレスの主な見どころ

パヤタイパレスには複数の宮殿や建造物があり、ガイドツアーでは全てを見学することができます。ここでは、宮殿内の主な見どころをご紹介しましょう。


テーワローサパーロム宮殿

パヤタイパレスで最も古く、ラーマ6世の母親であったサオワパー・ポーンシー王妃が暮らしていた宮殿です。ペパーミントグリーンの美しい宮殿の館内には、王妃の肖像画が飾られています。

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メーカラルーヂー邸

ラーマ6世による本格的な宮殿作りが始まると、完成を心待ちにしていたラーマ6世が、建設の進捗状況を観察するため、ドゥシット離宮にあった小さなお屋敷をここに移設しました。宮殿の裏手にあり、ラーマ6世の散髪用の部屋が見どころです。

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ピマーンチャクリー宮殿

ピマーンチャクリー宮殿は、パヤタイパレスの中心となる最も重要な宮殿です。この宮殿を中心に、両側に2つの宮殿があり、3つの宮殿が渡り廊下でつながっています。ピマーンチャクリー宮殿には、見事な装飾が施された朝見用の広いホールや会議室があります。朝見用ホールには、当時ヨーロッパから輸入された暖炉があり、ラーマ6世の肖像画が飾られています。 また、丸いとんがり屋根の塔があり、2階部分はラーマ6世の書斎があります。丸い壁に沿って作られた特注の本棚も見どころです。

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ワイヤグーンテーパヤサターン宮殿

ピマーンチャクリー宮殿に向かって右側に渡り廊下でつながった建物は、ラーマ6世の私的な生活の場であったワイヤグーンテーパヤサターン宮殿です。当初は2階建てでしたが、後から3階部分が増築されました。ラーマ6世の寝室やバスルームがありましたが、ラーマ7世時代にホテルのベッドルームとして使用されていました。現在は、ホテル時代の室内の様子も展示されています。

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シースッタティニワート宮殿

ピマーンチャクリー宮殿に向かって左側に渡り廊下でつながった宮殿は、王室女性を迎えるために建てられたシースッタティニワート宮殿です。王宮が病院として使用された時代には、病棟として使用されていたため、損傷してしまいました。そのため、他の宮殿に比べて華やかな印象がありませんが、現在も修復作業が少しずつ行われています。大きな頑丈な扉の金庫室が印象的です。

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ローマン庭園

宮殿の裏手には、ローマン庭園と呼ばれる西洋式の優雅な庭園があります。パヤタイパレスでは、企業や団体などのオフィシャルなパーティの会場としてレンタルもしてくれるそうです。但し、プライベートな結婚パーティなどは駄目とのこと。こんなお庭でガーデンパーティが出来たら素敵でしょうね・・・。

ローマン庭園


カフェドノラシン

ピマーンチャクリー宮殿の正面には、以前車寄せとして建てられた、小さな白いネオクラシカル様式の洋館があります。現在は、カフェドノラシンという名前のカフェになっていて、誰でも気軽に利用することができます。(続きを読む

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パヤタイパレス

パヤタイパレス の基本情報

PHYA THAI PALACE
住所
:Phya Thai Palace 315 Ratchathewi Road, Thung Phaya Thai, Ratchathewi, Bangkok 10400 Thailand
アクセス:BTSビクトリー・モニュメント駅より徒歩10分(プラモンクットクラオ病院:Phramongkutklao Hospital隣り)
ウェブhttp://www.phyathaipalace.org/index.php
見学時間:火曜日&木曜日(祝日を除く) 13:30~
土曜日&日曜日 9:30~&13:30~
見学料:大人40バーツ、子供(10〜14歳)10バーツ、シニア(60歳以上)20バーツ
見学方法:館内を見学する場合は、上記の見学時間前までに受付で申込みます。
服装:肩や膝を露出した服装では宮殿内に入れませんが、受付で覆う布を貸してくれます。
パヤタイパレスのマップ

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