ナコンパトム サナームチャン パレス

ナコンパトム サナームチャン

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ラーマ6世の王宮 ナコンパトム サナームチャン パレス

ナコンパトム サナームチャン パレス (Sanam Chandra Palace) は、バンコクの隣にあるナコンパトム県に、タイ国王ラーマ6世が1907年に建てた離宮です。ナコンパトムといえば、世界一高い仏塔として知られる大仏塔が有名ですが、サナームチャン離宮はその大仏塔のすぐそばにあります。緑あふれる広大な敷地には、たくさんの池があり、緑と水辺の合間に美しい宮殿が点在しています。その宮殿のなかで最も目を引くのが、まるでシンデレラ城のような、フランスのルネッサンス様式で建てられた赤い屋根の小さな華麗な宮殿です。池のほとりに建つこの宮殿は、池の反対側に建つ赤い宮殿と渡り廊下でつながっていて、サナームチャン離宮内で最もフォトジェニックなポイントとなっています。

ナコンパトム サナームチャン

宮殿の渡り廊下

サナームチャン パレス の歴史

ラーマ6世がまだ皇太子(モンクットクラオ王子)だった頃、当時の国王であったラーマ5世(チュラロンコン大王)に、ナコンパトムの大仏塔の修復作業の責任者として任命され、たびたびナコンパトムを訪れるようになったことが、この地に離宮を建てることになったきっかけです。ラーマ6世はナコンパトムの自然や文化に魅せられ、また当時西洋諸国の東南アジアでの植民地政策が進むなか、バンコクの王宮の有事に備えて、ナコンパトムに新たな離宮を建設することにしました。

ナコンパトム大仏塔

ナコンパトム サナームチャン

ラーマ6世は、近代化が進められていた当時、タイで初めてヨーロッパに海外留学をした国王として知られています。西洋文化に親しみ、一方でタイの芸術保護にも熱心な文化的な王様でした。ラーマ6世が建てた宮殿は、西洋の建築様式にタイの文化を採り入れた、美しく華麗なデザインのものが多いです。(パヤタイ パレスを読む) ラーマ6世が亡くなった後も、タイの芸術大学として知られるシラパコーン大学やラーマ6世の一人娘であったペッチャラット王女らの努力により、離宮は美しく維持管理され、当時の様子を伝える博物館として一般公開されています。

ナコンパトム サナームチャン

ナコンパトム サナームチャン

サナームチャン 離宮 の主な宮殿と見どころ

サナームチャン 離宮 内には、20以上の宮殿や王族のお屋敷などが、広大な敷地に点在しているため、全部を見てまわるのはかなり大変です。ここでは、見どころとなる主な宮殿のみをピックアップしてご紹介します。

①ピマーンパトム宮殿群

サナームチャン離宮 の入り口から入ってすぐ左手に見えるのが、サナームチャン離宮で最も重要なピマーンパトム宮殿を中心とした4つの宮殿群です。 ピマーンパトム宮殿群では、係員による館内ガイドがあり、20分ごとに出発します。案内はタイ語のみですが、4つの宮殿一つ一つを回って丁寧に説明してくれます。館内は写真撮影禁止で、入り口のロッカーに荷物を預けなければなりません。 最初のピマーンパトム宮殿は、白い壁に緑の屋根の2階建ての西洋式の涼しげな建物で、サナームチャン離宮で最も古い宮殿です。ハイライトは、この宮殿の2階にある仏間で、その窓から離宮内にあるガネーシャ廟とナコンパトムの大仏塔が一直線上に見えます。

ナコンパトム サナームチャン

ピマーンパトム宮殿の後ろに渡り廊下で繋がったアピロムルディ宮殿は、外観はピマーンパトム宮殿と似ていますが、こちらは王族女性のための宮殿だったため、装飾が少し簡素にできています。 現在はサナームチャン離宮に関する歴史などの展示が行われています。

ナコンパトム サナームチャン

ワチャリーラマヤー宮殿は、ピマーンパトム宮殿から渡り廊下で繋がっている2階建ての白いタイ様式の宮殿です。美しい内装が見どころの宮殿は、かつてラーマ6世が書斎として使用していたそうです。

ナコンパトム サナームチャン

サーマッキームックマート宮殿は、ワチャリーラマー宮殿と一体化した平屋のタイ様式の宮殿で、壁がガラス張りになっています。かつて会議室やコーン(タイの伝統的な仮面舞踊劇)の劇場として使用されていました。

ナコンパトム サナームチャン

②ガネーシャ廟とラーマ6世像

ピマーンパトム宮殿群の向かいには、円形の広場があり、その中央にはヒンズー教のガネーシャ神を祭る祠があります。また円形広場の東側には、ラーマ6世像が建てられています。円形広場の周囲は、多くの木々が生い茂り、ただのんびりと散歩するだけでも気持ちがいいです。

ガネーシャ像

ラーマ6世像

③ナコンパトムのシンデレラ城

円形広場を右回りにぐるりと回ると右手に赤い屋根の西洋式のお城が見えてきます。冒頭でもご紹介したサナームチャン離宮にあるシンデレラ城です。本当の名前は、チャーリーモンコンアート御所で、1908年ごろ建てられました。ラーマ6世の寝室などがあり、私的な生活の場として使用されていました。

タイ シンデレラ城

チャーリーモンコンアート御所の前には、ラーマ6世の愛犬ジャーレの銅像もあります。ジャーレは最初ナコンパトムの監獄で飼われていましたが、ラーマ6世がその愛らしい姿に惚れ込んで飼い犬として引き取りました。ジャーレは賢くラーマ6世の忠犬でしたが、ある日夜中に外に出ていき、銃で撃たれて死んでしまいました。愛犬の死を悲しんだラーマ6世は、ジャーレ像をこの場所に建てたのだそうです。犬好きにはたまらない、微笑ましいお犬様の像も、この離宮の見所の一つです。

ラーマ6世の愛犬像

チャーリーモンコンアート御所の裏手には大きな池があり、向こう岸には赤い木造のマーリーラーチャラットバンラン御所が建てられています。2つの御所は2階から池を渡るように作られた屋根付きの渡り廊下で繋がっています。水辺の2つの美しい御所をつなぐ渡り廊下は、サナームチャン離宮の中で最も美しい景観を呈しています。

ナコンパトム サナームチャン

2つの御所の館内は見学可能で、チャーリーモンコンアート御所の入り口から靴や荷物を持ったまま入場し、館内を見学した後、渡り廊下を歩いて渡り、マーリーラーチャラットバンラン御所を見学して外に出られるようになっています。館内は当時の調度品などが展示されていて、ガイドなしで自由に見学できますが、写真撮影は禁止されています。

ナコンパトム サナームチャン

④タップクワン御所

マーリーラーチャラットバンラン御所の手前にあるタップクワン御所は、完全なタイ様式のチーク材でできた御所です。8つの居室で構成され、中央に木造のテラスがあります。タイ式家屋の伝統文化を保護する目的で、1915年に建てられました。館内は撮影禁止で、入り口のロッカーに荷物を預けて入場します。 サナームチャンパレスの詳細

ナコンパトム サナームチャン パレスの基本情報

Sanam Chandra Palace at Nakhon Pathom

住所:T.Phra Pathom Chedi, A.Muang Nakhon Pathom, Nakhon Phatom, 73000 Thailand

アクセス:バンコクより車で約1時間半

見学時間:9:00〜16:00

休館日:タイの祝日、11月25日(ラーマ6世記念日)

見学料:外国人50バーツ、タイ人30バーツ

服装:肩や膝を露出した服装での入場はできません。

(注:本情報は、2017年5月時点の訪問に基づいて書かれたものです)

マップ:

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