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- キリウォン村とは?ナコーンシータマラートの自然と暮らし
- パッション・リゾート・キリウォン(Passion Resort Kiriwong)
- ワット・キリウォン(Wat Kiriwong)
- キリウォン・ナチュラル・バティック・グループ
- 草木染めブランド「KiRee」の工房
- キリウォン村ハーブ製品販売所
- キリウォン村の洞窟カフェ(Cave Cafe)
- キリウォン村の吊り橋
- クルア・ラムニャー・レストラン(Krua Lamnga Restaurant)
- キリウォン村のトップ・コーヒー(Top Coffee at Kiriwong Village)
- キリウォン村への行き方と滞在情報
- まとめ|自然と文化が息づくキリウォン村の魅力
キリウォン村とは?ナコーンシータマラートの自然と暮らし
タイ南部ナコーンシータマラート郊外の山あいにあるキリウォン村は、「タイで最も空気がきれいな村」として知られる自然豊かな集落です。清流が流れる美しい風景の中で、地元の人々は果樹栽培や草木染め、ハーブ製品づくりなど、環境にやさしい暮らしを営んでいます。吊り橋やリバーサイドのカフェを楽しみながら、伝統文化とエコツーリズムが共存する穏やかな時間を体験できます。


2025年8月にキリウォン村を訪れ、宿泊しながら体験した見どころやおすすめスポットを詳しくご紹介します。
(キリウォン村の位置)
今回は夕刻にキリウォン村に到着し、翌日のお昼過ぎまで実質1日の滞在でしたが、見どころを効率よく巡ることができました。
滞在スケジュールは下記の通りです
(1日目)
・パッション・リゾート・キリウォンにチェックイン
・夕食(Kiriwong Valley Villas & Restaurant)
(2日目)
・ホテルで朝食
・ワット・キリウォン
・キリウォン・ナチュラル・バティック工房
・草木染めブランド「KiRee」の工房
・キリウォン村ハーブ製品販売所
・洞窟カフェ
・吊り橋
・キリウォン・リバービューでランチ
・トップ・コーヒー
(キリウォン村で訪れた場所)
パッション・リゾート・キリウォン(Passion Resort Kiriwong)
午後遅く、ナコーンシータマラート中心部から約20キロ離れたキリウォン村に到着。
宿泊先は、村を流れるターディー川沿いに建つ 「パッション・リゾート・キリウォン」。2019年開業の比較的新しいホテルで、ホームステイが主流のキリウォン村では規模も大きいリゾートタイプです。ホテルのロゴは村の特産のマンゴスチンがデザインされています。


客室はウッド調の落ち着いたインテリアで統一され、ベッドには草木染め布がさりげなく飾られていました。窓を開ければ雄大な山の景色が広がり、テラスレストランからも同じように緑豊かな景色が楽しめます。
村の素朴さとリゾートの快適さを兼ね備えた滞在が叶いました。

到着は日暮れ近くだったため、近くの「ザ・キリウォン・バレー・ビラ&レストラン(The Kiriwong Valley Villas & Restaurant)」で夕食を取って早めに就寝。
翌朝は快晴に恵まれ、清々しい空気を吸い込みながら、オープンエアのテラスレストランでたっぷりと朝食をいただき、キリウォン村散策に出発しました。

パッション・リゾート・キリウォン
Passion Resort Kiriwong
google map
agodaで詳細を見る / booking.comで詳細を見る
ワット・キリウォン(Wat Kiriwong)
タイ語で「キリ(คีรี)」は「山」、「ウォン(วง)」は「円形」を意味し、「キリウォン村」とは、「山に囲まれた村」という名の通りです。
その象徴とも言えるのが、村人の信仰の中心である仏教寺院「ワット・キリウォン」。山を背景に映える寺院の建物は素朴ながらも荘厳で、観光客がほとんど訪れない静かな田舎ならではの、ゆったりとした時間が流れていました。

本堂に入ると、剥き出しのコンクリートの壁に囲まれたガラスケースの中に仏像が安置されていて、あまりに質素で殺風景な光景に驚きました。聞けば数十年前の大洪水で村と寺院は大きな被害を受け、今も完全な修復には至っていないとのこと。
たしかに、大きな山の麓に広がる川沿いの村であれば、洪水に見舞われやすいのも頷けます。
青空の下で穏やかに見える村の暮らしの中に、自然と共に生きる厳しさが潜んでいることを垣間見たような気がしました。

ワット・キリウォン
Wat Kiriwong | วัดคีรีวง
google map
キリウォン・ナチュラル・バティック・グループ
キリウォンは、豊かな自然の恵みを活かした手工芸品でも知られています。代表的なのが、自然素材だけを使ったろうけつ染め(バティック)。
ろうけつ染めとは、溶かした蝋で布に模様を描き、その後に染料で染め上げることで、蝋で描いた部分だけが白く模様として浮かび上がる染色技法です。
簡素な建物に入ると、まず目に入ったのは、バティックの布で作られた衣類やバッグが並ぶ販売コーナーでした。

インドネシアのバティックのようなエキゾチックな印象とは異なり、こちらは柔らかなパステルカラーが特徴で、とても可愛らしい雰囲気です。
奥の作業場には、まるでキャンバスのように広げられた大きな布があり、蝋で模様を描くためのペンのような道具や、蝋を溶かすための鍋が無造作に置かれていました。
バティックという技法自体は知っていましたが、制作現場を目にするのは今回が初めてで、とても珍しく、興味が尽きませんでした。

キリウォン・ナチュラル・バティック・グループ
Kiriwong Natural Batik Group|กลุ่มลายเทียนผ้าบาติกคีรีวง
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草木染めブランド「KiRee」の工房
次に、隣接する「KiRee(キリー)」の工房を訪れました。ナコンシータマラートの自然素材を使った草木染めの有名なブランドです。
タイ芸術工芸振興協会(SACIT)から「Master Craftsman of Thailand」に認定された故アーリー・クントン氏が創設し、彼女の娘さんが引き継いでいます。
バティックや絞り染めを中心に、独自の美しいデザインを展開しているほか、ファッションデザイナーとして活躍するシリワンナワリー王女とのコラボレーションも行っているそうです。
染色の色合いもデザインも洗練されており、見るだけでたちまちファンになってしまいました。

工房を見学すると、職人さんたちは下絵のない布に、サラサラと蝋で模様を描いていました。

大きな窯と鍋では、マンゴスチン、サトー豆、ジャックフルーツ、リュウガンなど、地元の素材を煮出して染料を作っています。
特に、マンゴスチンから採れるピンクの染料は美しく、実や葉、乾燥したものなど、使う部位によって異なる色合いのピンクに染まるのが特徴です。葉っぱからもピンク色の染料ができることを知り、驚きました。

記念に、マンゴスチンの葉で染めた魚模様のシャツを一枚購入。価格は1,300バーツと少し高めですが、手作りの一点ものであることを考えれば納得です。
ナコンシータマラートでの素敵な思い出として、大切にできる一品になりました。

草木染めブランド「KiRee」工房
"KiRee" – Sustainable Natural Dyed Fabric Brand|"คีรี" ผลิตภัณฑ์ผ้าย้อมสีธรรมชาติ
IG: KiRee
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キリウォン村ハーブ製品販売所
キリウォンの豊かな自然の恵みは、手工芸品だけでなく、さまざまなハーブ製品や食品にも生かされています。そんな地元の特産品が並ぶ販売所を訪れてみました。
数ある商品の中でも、やはり主役はマンゴスチンを使った製品です。

店先には大きなマンゴスチンのオブジェが吊るされ、お菓子やお茶など、珍しいマンゴスチン商品がずらりと並んでいます。
まずはマンゴスチンのジェラートを試食してみました。爽やかな甘酸っぱさが口いっぱいに広がり、南国の果実らしい味わいです。

もう一つ印象的だったのが、「マンクット・クアン(มังคุดกวน)」という、マンゴスチンの果肉を練り上げたお菓子。
マンゴーやドリアンのクアンはバンコクでもよく見かけますが、マンゴスチンで作られているのはとても珍しく、思わず手に取ってしまいました。
お土産に買って帰ったところ、バンコクのタイ人の知人も「こんなの初めて見た!」と驚いてくれました。

キリウォン村ハーブ製品販売所
Kiriwong Herb Product Retail Center | ศูนย์จำหน่ายผลิตภัณฑ์ชุมชน (กลุ่มบ้านสมุนไพรคีรีวง)
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キリウォン村の洞窟カフェ(Cave Cafe)
キリウォン村ハーブ製品販売所のすぐそばに、「洞窟カフェ」というユニークなカフェがあると聞き、立ち寄ってみました。
店主はタイの方で、自ら鍋で豆を焙煎する本格派。エスプレッソを頼んでみると、酸味が際立つワイルドな味わいが楽しめました。

店内は、大きな岩のくぼみをそのまま活かしてカウンターやテーブルが設けられており、まるで洞窟の中でコーヒーを飲んでいるような不思議な空間です。
川のすぐそばにあるため、岩の隙間から水面を望むことができ、自然を間近に感じられるリバービューも魅力です。

カフェの脇道から川辺へ出てみると、小さな公園のようなスペースが広がっていました。澄んだ水の中には黒くて大きな魚がたくさん泳いでおり、訪れた人たちはエサをあげたり記念写真を撮ったりしながら楽しんでいました。清らかな川の流れと澄んだ空気に包まれて、心からリラックスできました。

キリウォン村の洞窟カフェ
Thum Coffee at Kiriwong | คาแฟถ้ำ ณ คีรีวง
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キリウォン村の吊り橋
車で川の上流へと向かい、キリウォン村で最も有名な観光スポット「吊り橋」にやって来ました。

全長約100メートルのこの吊り橋は、歩くたびにゆらゆらと揺れ、足元の横木の隙間からは川面が見えて、スリル満点です。
写真を撮ろうとしても怖くて足がすくんでしまい、なかなかうまくシャッターが切れませんでした。

橋を渡り切ってあたりを見回すと、川の水は下流よりもさらに透き通っていて、魚たちが泳ぐ中で子どもたちが楽しそうに水遊びをしています。のどかで穏やかな光景は、まるで桃源郷のような美しさです。
川沿いでは、近くの飲食店が提供しているのでしょうか、ゴザの上に座卓が並べられ、ピクニック気分で食事を楽しむ人々の姿も見られました。
壮大な山々と清らかな川のせせらぎ、そして子どもたちの無邪気な笑い声——、これこそが、キリウォン村の最大の魅力だと感じました。

キリウォン村の吊り橋
Kiriwong Rope Bridge | สะพานแขวน คีรีวง
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クルア・ラムニャー・レストラン(Krua Lamnga Restaurant)
吊り橋を渡ってすぐの場所にある「キリウォン・リバービュー(Kiriwong Riverview)」は、わずか6室だけの小さなホテルです。
そのホテルに併設されたレストラン「クルア・ラムニャー(ครัวลำงา)」でランチをいただきました。

テラス席からは清らかな川の流れを望むことができ、爽やかな風を感じながら地元の南タイ料理を楽しめます。
今回は、お店自慢のシグネチャーメニューを中心に注文。特におすすめは、海水魚「プラー・クラオ(ปลากุเลา)」を使った南部風の酸っぱいカレー「ケーン・ソム・プラー・クラオ・ボーン・カミン(แกงส้มปลากุเลาบอนขมิ้น)」と、ターメリック風味の素揚げ「プラー・クラオ・トート・カミン(ปลากุเลาทอดขมิ้น)」です。

タイ南部でよく使われるスパイス「カミン(ターメリック)」の香りがしっかりと効いていて、どちらも深みのある味わいでした。
さらに、揚げた海老に甘酸っぱいタマリンドソースをかけた料理「クン・トート・ラート・ソース・マカーム(กุ้งทอดราดซอสมะขาม)」も絶品でした。
どの料理も大ぶりで新鮮な素材が使われていて、とても贅沢なランチタイムになりました。

クルア・ラムニャー・レストラン(キリウォン・リバービュー・ホテル)
Krua Lamnga Restaurant (Kiriwong Riverview)
ร้านอาหารครัวลำงา คีรีวง ริเวอร์วิว
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キリウォン・リバービュー公式サイト
キリウォン村のトップ・コーヒー(Top Coffee at Kiriwong Village)
ランチのあとは、再び吊り橋を渡って、川の向こう岸にあるカフェへ。
立ち寄ったのは「トップ・コーヒー(Top Coffee)」というお店で、テラス席からは吊り橋や川の流れを一望できる絶好のビューポイントです。
眼下には、川辺で遊ぶ子どもたちの楽しげな姿が小さく見え、のどかな時間が流れていました。

コーヒーを注文したあとは、カフェの裏手にある果樹園を少し散策。
マンゴーやマンゴスチンなど、ふだんは市場やスーパーで見かける果物の木がたくさん植えられており、葉の影からはまだ若く青い実が顔をのぞかせていました。
キリウォン村がいかに自然に恵まれ、豊かな実りを育む場所であるかを肌で感じられるひとときでした。

キリウォン村のトップ・コーヒー
Top Coffee at Kiriwong Village
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キリウォン村への行き方と滞在情報
バンコクからは飛行機でナコーンシータマラート空港へ(約1時間)、そこから車で移動します。
キリウォン村は、ナコーンシータマラート市内から車で約30分。小さな村ながら、見どころが広範囲に点在しているため、空港からレンタカーやドライバー付きの車での訪問が便利です。
現地は大きなホテルは少なく、ホームステイや民宿が主流のようです。ローカル体験を重視する旅行者にもおすすめです。
今回は観光中心で少し忙しいスケジュールでしたが、川沿いでのんびりリラックスするのもおすすめだと思います。

まとめ|自然と文化が息づくキリウォン村の魅力
清々しい空気と川のせせらぎ、人々の笑顔、草木染めやハーブ製品など、村の暮らしすべてがエコツーリズムそのもの。
静かな時間が流れる南部の小さな村で、タイの「素顔の豊かさ」に出会えるはずです。
ナコーンシータマラートのキリウォン村は、自然と伝統文化が共に生きる“持続可能な旅”の理想形です。

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