プレアヴィヒア寺院 (カンボジア世界遺産)

プレアヴィヒア寺院

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断崖絶壁にそびえたつ神秘の遺跡 プレアヴィヒア寺院

プレアヴィヒア寺院 (タイ語名:カオプラウィハーン遺跡)は、タイとカンボジアの国境に位置する9世紀に建立されたヒンドゥ教の寺院です。2008年にカンボジアの世界遺産として登録されました。クメール帝国のヤショヴァルマン1世(在位889-910年)が建築を始め、スーリヤヴァルマン1世(在位1002~1049年)及びアンコールワットを建立したスーリヤヴァルマン2世(在位1113~1150年)の時代に増築されたとされています。

プレアヴィヒア寺院
プレアヴィヒア寺院

プレアヴィヒア寺院の中心部である主祠堂は、海抜650mほどのダンレク山地の頂上にあり、三方が切り立った絶壁になっていて、断崖絶壁にそびえ立つように建てられています。このようなアクセスが困難な地形に守られ、美しいクメール彫刻が施された1000年前の遺跡が比較的良い状態で残されているのです。プレアヴィヒア寺院は、建築物の歴史文化的価値だけでなく、ダンレク山地の自然の中に建設された参道を辿りながらの登頂や、山頂の断崖からの素晴らしい絶景など、豊かな自然と一体となった見どころの多い世界遺産です。

プレアヴィヒア寺院
山上からの絶景

プレアヴィヒア寺院 の主祠堂と5つの楼門を結ぶ南北の参道

プレアヴィヒア寺院は、最南端に位置する主祠堂と南北に垂直に並ぶ5つの楼門から構成されており、5つの楼門は石を敷き詰めた800mの参道によってつながっている。まず入口から最初に見える第五楼門までは急な石の階段が長く続く。階段の一段一段が高く、急勾配をよじ登るように上らなければならないため、かなりきつい。よく見ると石の階段は、一つ一つ丁寧に削れられた無数の石が並べられたものだ。第五楼門から第一楼門までの参道は、なだらかな勾配の石畳で、ここの石もすべて手彫りである。ナーガ(ヒンドゥ神話の龍神)がデザインされた手すりもある。クメール帝国が権力を誇っていた遥か昔に、多くの人々の労力と長い年月をかけてプレアヴィヒア寺院が作られたことが想像できる。また、参道の脇には石でできた排水溝や貯水池の跡も見られ、クメール時代の治水技術もうかがえる。 プレアヴィヒア寺院

プレアヴィヒア寺院
プレアヴィヒア寺院
プレアヴィヒア寺院

5つの楼門は、一つ一つデザインが異なり、頂上に近づくにつれて大きく華麗になっていく。プレアヴィヒア寺院は、ヒンドゥ教の三大神であるシヴァ神を祀るために建てられた寺院であるが、楼門の破風にはヒンドゥ神話をモチーフにした美しく精巧な彫刻が施されている。特に第三楼門の彫刻が見事である。シヴァ神を祀る寺院なのに、多くのヴィシュヌ神が彫られていることも特徴の一つである。ヒンドゥ神話の有名な天地創造の物語「乳海攪拌(Sea of Milk)」をモチーフにした彫刻なども見られる。

プレアヴィヒア寺院
プレアヴィヒア寺院

頂上の第一楼門は半円筒天井の長方形の回廊になっていて、主祠堂を囲むように建てられている。第一楼門の中庭の中央に、半ば崩れ落ちた主祠堂が現れる。第一楼門は頂上の断崖絶壁のすぐそばに建てられていて、切り立った崖の縁からは500m下方に広がるカンボジアの平原が見渡せる。スリリングで感動的な瞬間である。

石造りの回廊
プレアヴィヒア寺院
絶景 絶壁
プレアヴィヒア寺院入口

プレアヴィヒア寺院 の基本情報

Preah Vihear Temple
アクセス:シェリムアップ空港より車で4時間
ウェブhttp://whc.unesco.org/en/list/1224/

マップ

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