Somrom Space サムイ島でタイ料理の食文化を学ぶ

Somrom Space サムイ

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Somrom Space サムイ のタイ南部料理ワークショップ

Somrom Space は、タイ南部のサムイ島にあるタイ料理スタジオです。

南タイ料理を中心に、タイ料理の調理方法のみならず、文化や歴史などについて、深く学ぶためのワークショップを開催しています。

ツーリスト向けのクッキングスクールとは一線を画する Somrom Space には、世界各国のプロの料理人が集まってきます。

私は現在、特にバンコクを中心としたタイ料理の歴史について研究をしています。伝統的なタイ料理の基本を体験的に学びたいと思い、2024年6月にSomrom Spaceの1日ワークショップに参加しました。

Somrom Space サムイ島
サムイ島で南タイ料理を中心とした食文化や歴史が学べるSomrom Space(ソムロム・スペース)

Somrom Space のプログラム概要

Somrom Spaceでは、タイ料理を実際に作りながら、伝統的な調理方法や素材について、その文化や歴史的背景を学ぶことができます。

教えてくれるのは、サムイ島出身のインさんというタイ人女性。南タイ料理のエキスパートです。夫のダニエルさんも陰ながらサポートをしてくれます。

Somrom Space サムイ
Somrom Spaceとサムイ島出身のインさん

サムイ島に限らず、タイではツーリスト向けのタイ料理教室があちこちで開催されています。

通常、そのようなタイ料理教室で教えてくれる料理といえば、パッタイ、トムヤムクン、ソムタムなど、外国人旅行者に人気のタイ料理が中心です。

しかし、Somrom Spaceは、そんな観光客向けの料理教室ではありません。

タイ料理をすでによく知っていて、さらに深く学びたいという人が自然と集まってくる、とてもマニアックな場所なのです。

Somrom Spaceのワークショップは、1日コースのほか、4日間・6日間のマスターコースもあります。

タイ料理 食材
南タイ料理の1日ワークショップに参加しました

Somrom Space の予約方法

私が偶然 Somrom Space のことを知ったのはインスタグラムでした。

とても興味を持ち、すぐにDMからインさんにメッセージを送りました。

その後、インさんから詳細をEメールで教えてもらい、とうとう念願叶って2024年6月に予約を取ることができました。

実は、インさんは南タイ料理の研究のため、周辺諸国をはじめ、よく旅行に出掛けていています。

そのため、予約しようと思った日が2度も旅行の日程とぶつかってしまい、ようやく予約が取れた時は、最初に連絡をとってからすでに1年近く経っていました。

予約が確定すると、まず当日の待ち合わせ場所のグーグルマップのリンクを送ってくれました。

その後、予約した日の数日前にメニューのリストを送ってくれて、料理したいメニューを3品選びます。

送ってくれたメニューは、南タイ料理を中心に30品。季節によってメニューも変わるそうです。

どのメニューも魅力的で、選ぶのに苦労しましたが、最終的に サムイ 島の郷土料理3品を選びました。

1日コースの料金は5,900バーツ。料金は当日現金で支払います。

Somrom Samui サムイ
タイミングが合わず1年がかりでやっと予約が取れました!

ワークショップ当日の待ち合わせ場所

当日は、9時半に サムイ 島東岸にあるフアタノンの街の桟橋で待ち合わせました。フアタノンは、Somrom Spaceから車で10分ほどのサムイ島の地元の人々が住む街です。

サムイ島というと観光リゾートのイメージがありますが、実はちゃんと昔ながらのローカルの集落が存在しています。

サムイ島 フアタノン桟橋
サムイ島の待ち合わせ場所うはフアタノン桟橋

私は、ワークショップの前日にサムイ島に到着し、Somrom Spaceのあるタリンガムという地区の「アヴァニ・プラス・サムイ・リゾート」に宿泊。翌朝ホテルに車を手配してもらい、フアタノンの桟橋に到着しました。

その日は朝からしとしと雨が降っていました。桟橋で少し待っていると、バイクに乗った小柄な女性が到着。それが初めてのインさんとの出会いでした。

いつもなら車で来るそうなのですが、あいにく朝から車が故障してしまったため、バイクに乗ってきたとのこと。

インさんとは初対面なのに、会った瞬間からすぐに打ち解けてしまいました。

早速その日の料理に使う食材を買いに、桟橋の近くにあるフアタノン魚市場に行きました。

サムイ島 フアタノン魚市場
フアタノン魚市場にずらりと盛られた様々な魚介類

サムイ 島フアタノン魚市場で食材を買い出し

フアタノン魚市場は小さな市場ですが、魚介類、肉、野菜、香辛料など、調理に必要なものが全て揃っています。

まず目に入ってくるのが、様々な種類の魚やエビ。海が近いサムイ島らしい光景です。

市場で魚を売っているのは、地元のムスリムの女性たち。サムイ島には、マレー系タイ人と海南島出身の中華系タイ人が多く住んでいるそうです。

ムスリムの人々は豚肉がタブーです。ですから、豚肉売場は中華系タイ人が担当。

タイ料理 カピ
タイ料理に欠かせないカピ(オキアミの発酵調味料)

インさんは買い物をしながら、市場にある食材について、南タイやサムイ島の食文化を交えながら、一つ一つ説明してくれました。

ハーブ類はちぎって味見をしてもいいということだったので、私は片っ端から葉っぱをちぎってはかじり、携帯で写真を撮って、名前をメモしていきました。

市場での買い出しは、とても楽しくて勉強になりました。

サムイ島 フアタノン魚市場
市場での買い物はとても楽しかった!

「Somrom Space」に到着

買い物が終わるとSomrom Space に移動。インさんの実家までバイクに二人乗りで移動し、車に乗り換えてSomrom Spaceに向かいました。

到着したSomrom Spaceは、伝統的なサムイ島の木造高床式の一軒家。インさんと夫のダニエルさんのご自宅です。

一階の土間がオープンエアの調理スペース。広い庭には、様々な種類の野菜やハーブが植えられています。

Somrom Space 菜園
Somrom Spaceのガーデンは様々な食材を育てる菜園

インさんが下準備をする間、私はダニエルさんとおしゃべりをしていました。

インさんは以前、観光客向けの料理教室を開いていましたが、コロナで観光客がいなくなり、休業状態に陥ってしまいました。

それをきっかけに、南タイ料理の研究を始め、今ではすっかりマニアックに方向転換してしまったのだそうです。

Somrom Space サムイ
コロナをきっかけに本格的な南タイ料理研究に方向転換

まずサムイ島の食文化講義

準備が整うと、まずはサムイ島の歴史や料理の文化について、インさんの講義が始まります。

タイという国は、様々な少数民族や移民によって成り立っています。多様な民族の食材や料理が混じりあって、現在のタイ料理が形成されてきました。

インさんが何度も口にしていた「Food is Traveling(食は旅をする)」という考え方は、タイ料理の歴史を研究している私には、すんなりと理解することができました。

何よりも、タイの料理文化について深く話ができて、とても楽しく、ついついおしゃべりに夢中になってしまいました。

Somrom Space 猫
まずオープンエアの調理スペースでの食文化講義。2匹の応援隊も!

タイ料理の調理開始

講義が終わると、いよいよ調理開始です。今回リクエストしたサムイ島の郷土料理は次の3品です。

①カニとパイナップルの炒め物

②ココナッツミルクのカレー(ケーン・カティ)

③ココナッツのドライ・ナムプリック(ナムチュップ・プロック)

私にとって、どの料理も初めて聞く珍しい料理ばかり。後で聞いたところ、私があまりにもどストレートなサムイ島の郷土料理ばかりを選んだため、インさんはとても驚き、いつも以上に張り切っていたそうです。

①カニとパイナップルの炒め物

サムイ島 郷土料理
サムイ島のシンプルなカニとパイナップルの炒め

まず、タイ料理に欠かせない調理器具、石で出来た「クロックとサーク」を使って、ニンニクと胡椒を細かく潰します。実は、私は今までタイ料理を習ったことがなく、クロックとサークを実際に使ったのは初めてでした。パイナップルの皮を剥くのも、ど素人並みのぎこちなさです。

大きな鉄鍋で材料を炒めて、一品目の料理が出来上がると、ランチブレイク。ご飯を出してもらい、初めて自分で作ったタイ料理を味わいました。

初めて作ったとは思えないほど美味くて満足!

クロックヒン
タイ料理に欠かせない調理器具、クロックとサーク

②ココナッツミルクカレー(ケーン・カティ)

ケーン・カティ
タイ南部らしい魚の入ったココナッツミルクカレー

2品目はココナッツミルクをたっぷり使ったカレーを作りました。まずは、先ほどのクロックで、カレーペーストとなる「クルアン・ケーン」を作ります。全ての材料が滑らかになるまで、時間をかけてポクポクと潰していきます。

カレーペースト
味の決め手となるカレーペーストも一から手作り

そして、ココナッツミルクの絞り出し。パックに入って売っているココナッツミルクしか見たことのなかった私には、これも初めての体験。ココナッツミルクってこうやって作るものだったのかと、目からウロコが落ちるほどの衝撃でした。

鉄鍋にココナッツミルクとカレーペーストと市場で買った魚の切り身を入れて、タイ南部らしいココナッツ・カレーが出来上がりました。

ココナッツミルク
パック入りのココナッツミルクしか見たことなかった私の最大の学びはココナッツミルクの作り方

③ココナッツのドライ・ナムプリック(ナムチュップ・プロック)

ナームチュップ・クロック
ココナッツミルクの搾りかすのココナッツを使う素朴なドライ・ナムプリック

3品目は、タイ料理の基本とも言えるナムプリック。タイ南部ではナムチュップと呼ばれます。

先ほどのココナッツミルクの搾りかすに、カピ(おきあみを発酵させたタイの伝統的な調味料)やその他の材料を入れ、クロックで混ぜ合わせてペースト状にします。

ペーストをココナッツの殻に塗りつけて炭火で焼きます。ココナッツの豊富なサムイ島らしい、とても珍しい料理です。

ナームチュップ・プロック
ココナッツの殻に塗りつけたペーストを炭火で焼く

付け合わせのたくさんのハーブは、Somrom Spaceの庭で収穫したもの。ナムプリックとココナッツカレーをおかずに、その日の夕食を堪能しました。

タイ料理ワークショップの感想

全ての調理が終わると最後に記念写真を撮ってお別れ。帰りはインさんがホテルまで車で送ってくれました。

今回初めてタイ料理を作ってみて、本当に様々な学びがありました。

どの料理もとてもシンプルですが、料理の核となる調味料が日本料理とは全く異なります。

ココナッツ
ココナッツの豊富なサムイ島ならではのココナッツの使い方はに興味深々

普段当たり前に食べているタイ料理ですが、一から作ってみると、一つ一つの調味料や素材について、実は何も知らなかったのではないかと感じました。

インさんとは、尽きることのないおしゃべりが楽しく、またいつか再会すると信じています。「次は6日間のマスターコースに来てね」と言われましたが、仕事の関係ですぐには行けそうにないのがちょっと悔しい。でも、いつかきっと実現したいと思っています。

タイ料理 スパイス
タイ料理の基本の調味料について深く学ぶことができました

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アヴァニ+・サムイ・リゾート アヴァニ+・サムイ・リゾート 宿泊記:サムイ島南西部の隠れ家ホテル

Somrom Space サムイ の基本情報

Somrom Space サムイ
SOMROM SPACE(ソムロム・スペース
住所:359/12 Moo 3, T. Taling Ngam, A. Ko Samui, 84140 Suratthani, Thailand
アクセス:サムイ国際空港から車で約50分
料金(2024年6月時点):
1日コース 5,900バーツ(3品)
マスターコース 4日間=32,000バーツ(17品) 
マスターコース 6日間=48,000バーツ(27品)
公式サイトhttps://somromspace.com

Somrom Spaceの地図

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