※本サイトの記事には広告が含まれています
カオヤイ 国立公園 での恐怖のトレッキング体験
カオヤイ 国立公園 (Khao Yai National Park) は、タイ東北部のナコンラチャシマ県、プラチンブリ県、サラブリ県、ナコンナーヨック県の4県にまたがる広大な国立公園です。絶滅危惧種を含む多くの様々な動植物が生息する貴重な熱帯雨林と草原があり、2005年には「ドンパヤーイェン・カオヤイ森林群」として世界自然遺産に登録されました。 カオヤイ国立公園では、キャンプやバードウォッチング、そしてトレッキングなどを楽しみながら、南国の大自然を満喫することができます。 今年の1月、私は山好きな両親とともに、カオヤイ国立公園にトレッキングに行きました。事前にウェブサイトで情報収集をしようと思ったら、ツアーではなく、個人でカオヤイ国立公園に行く方法が見つかりませんでした。そこで、ずっと以前に行った記憶をもとに、「とにかく行ってみるしかない」と、かなり無謀なカオヤイ旅行を実行したのです。 その結果、あわや遭難寸前の恐ろしいトレッキング体験となってしまいましたが、無事バンコクに帰ってくることができました。カオヤイ国立公園に行ってみたいという方のご参考に、一部始終をまとめておこうと思います。カオヤイ 国立公園 への行き方
カオヤイ国立公園に行く場合は、車が絶対に必要です。私は運転手付きのハイヤーを手配して行きました。カオヤイまでは、バンコクから車で2時間半から3時間ほどで到着します。朝早く出発すれば日帰りも可能ですが、カオヤイ国立公園の周囲はタイの有名な高原リゾートで、お洒落なリゾートホテルがたくさんあるので、一泊するのもいいでしょう。ちなみに、カオヤイ国立公園内にはキャンプ場しかありません。カオヤイ周辺のホテルを検索するカオヤイのトレッキングコース
カオヤイ国立公園に到着したら、最初にゲートで国立公園入場料を支払います。その後、ビジターセンターに向かいました。ビジターセンターでは公園内の地図やトレッキングのガイドが手配できます。 トレッキングのコースは6つあります。以前に、ガイド付きで45分間の一番簡単なコースを歩いたことがあったので、今回は2番目に簡単な2時間のコースに行きたいと告げました。 すると受付のスタッフが、ガイドが手配できるのは難しい3〜6のコースだけで、1と2は簡単だから自分で歩いて下さいと言ったのです。ちょっと「え?」と思いましたが、ここまで来たのだし、道はわかりやすいと行っているので大丈夫だろうと、2のコースを選びました。3〜6の難しいコースは、川を渡ったりして、かなりアドベンチャーなコースだということでした。 私たちが選んだコースは、クルアイマイ崖からへウスタット滝までを川沿い歩く2時間のコースでした。その日は朝からバンコクを出発して、カオヤイリゾートでランチをして、ビジターセンターには2時に到着。トレッキングに出発したときはもう2時半になっていました。ジャングルの中のトレッキングコース
ビジターセンターから2のコースの出発地点まで、車で移動しました。トレッキングコースの入口にある案内図は風雨にさらされ、あまりよく見えませんでしたが、念のため写真を撮っておきました。運転手さんから、ゴール地点で待っているから、何かあったら電話するようにと言われました。 さていよいよ出発。たくさんの人が通ったと思われる道が続いているので、最初は調子よく歩いていきました。途中、2組の西洋人カップルが私たちを追い越して行きました。道はところどころ木の根が盛り上がり、ジャングルの雰囲気に溢れています。 1時間以上歩いたころ、さっき追い越して行ったカップルの一組が引き返してくるのに出会いました。「この先は森がとても深くてこれ以上行けないよ。」と言われ、ちょっと不安になりましたが、そのまま続けて歩いて行きました。 ハイキングトレールと行っても、コースの途中には看板も目印も何もありません。人が通ったと思われる道だけが頼りです。崖っぷちの細い道でも柵すらありません。一度、道が二手に分かれているところがありましたが、勘に頼って左側の道を選び、進みました。 鬱蒼としたジャングルの中を川のせせらぎと野鳥の鳴き声をBGMにひたすら歩き続けました。沼地のような場所に到着すると「ワニに注意」という看板がありました。そういえば、カオヤイ国立公園は、野生の象や虎もいると聞いたことがあります。リアルにジャングルの中にいるんだと実感したころ、ついに道がなくなり、道に迷っていたことに気づいたのです。GPSだけを頼りに歩き続けてようやくゴール
そこはもう、道ではありませんでした。一旦引き返すことにしましたが、どこで間違ったのか分からないので、どこまで戻ればいいのかもわかりません。不安が襲ってきて、ふと携帯を見ました。もう予定の2時間を超えていて4時半。日が暮れかかっていました。そして重大なことに気づいたのです。携帯の電波が届いていない!山が深すぎて電波が届いていないようなのです。当然、Google Mapも使えません。それどころか、運転手さんとも連絡がとれないし、誰にも助けを呼ぶこともできないのです。日が暮れるまでにここから出られなければ、夜は野生動物の餌食になるかもしれない、もうこの時点で本気で半泣きでした。 しかしGoogle Mapをよくみると、なんと自分たちのいる位置と川の流れと滝の名前が表示されていたのです!携帯の電波はなくなっても、GPSだけは生きていたのです。ようやく行くべき方向が分かり、やっとパワーが戻ってきました。とにかく早くゴールに行かなければ!川沿いのコースだったので、川の流れに沿って行けば絶対に出られると信じて、黙々と歩き続けます。 途中、川の上に倒木がかけてある場所があり、この倒木の上を歩いて川を渡らなければならないことに気づきました。さっきはここを通り過ぎてしまったのです。ちゃんと「ここを渡れ」とか書いといてよ!木の橋を渡ると、ちゃんと道が続いていました。早歩きでどんどんゴールを目指します。そしてようやくコースの先に、心配そうに立っている運転手さんの姿が見えました(涙)。到着したのは5時半で、予定より1時間も多くかかってしまいました。国立公園のゲートは5時に閉まるのですが、運転手さんが連絡してくれたので、私たちが戻るまで開けておいてくれました。ドライブだけでも楽しめるカオヤイ国立公園
その日の夜は、カオヤイのリゾートホテルで一泊し、翌日もトレッキングをする予定だったのですが、もう精神的にも肉体的にも疲れてしまいました。そこで、翌日はトレッキングを中止して、車でカオヤイ国立公園の中をドライブすることにしました。道路が整備されていて、ところどころに展望台があったり、象や鹿が草を食べにくる草原があります。緑の茂る山道をドライブしながら、気に入った場所で車を駐めて見学するだけでも、結構楽しめるようです。 もしくは、初めての方はやっぱりカオヤイツアーがいいのかもしれません。決して私たちのように無理をしないでくださいね。