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チェンマイ郊外のリバーサイドに佇む ラヤヘリテイジ
ラヤヘリテイジ (Raya Heritage)は、チェンマイを流れるピン川沿いに、2018年に開業した小さなブティックリゾートです。チェンマイの市街から車で30分ほど北に走ったメーリムという地区にあります。リゾートの周囲は静かな田舎町で、リゾート地というわけでもないのに、なぜか突然お洒落なホテルが出現します。
ラヤヘリテイジは、チェンマイ旧市街の人気ホテル「タマリンドビレッジ」、タイ南部クラビの秘境リゾート「ラヤバディ」と同じグループのリゾートホテルです。共通点は、ホテルが立地する地域の自然や文化を大切にしたお洒落なリゾートという点です。ラヤヘリテイジは、コメの生産地として有名なタイ北部のライフスタイルを反映した、シンプルで洗練された大人のリゾートです。
ラーンナー文化に触れる ラヤヘリテイジ のコンセプト
チェンマイを含むタイ北部には、かつてラーンナー王国がありました。ラーンナーとは、タイ語で百万(ラーン)の田(ナー)という意味です。タイ北部では米作りをはじめ、農業が主な産業であり、今もタイを代表する穀倉地帯として知られています。ラヤヘリテイジでは、こうしたローカルの文化を大切にしながら、ゲストに地元の伝統や自然に触れてもらうことをコンセプトとしています。
ラーンナーの人々が継承してきた竹細工や陶器や織物など、伝統的な手工芸品が、ホテルの客室やパブリックスペースなど、随所に装飾されています。しかも、白を基調としたインテリアに合うよう、手工芸品もシンプルな色で統一されていて、クリーンでエレガントな印象に仕上がっているのです。ホテルの中はどこを切り取っても本当に美しく、この空間にいるだけで、自分自身が感度の高い人間になったような錯覚に陥ります。
コロナ後初のチェンマイ旅行に出発
私は、ラヤヘリテイジが開業して以来、ずっと泊まりに行きたいと思っていましたが、ホテルを予約したのに2度も急にキャンセルしなければならなくなり、ようやく2020年10月に念願が叶いました。ちょうど、タイ国内のコロナが落ちつき、しばらくたった頃でした。
コロナ後初めてのバンコク脱出で、久しぶりに飛行機に乗って、チェンマイ空港に到着しました。空港ではホテルの方が待っていて、ホテルのバンに乗り込みました。空港からホテルまでは車で約30分です。チェンマイ市街地からは離れていて、周囲には観光地は全くなく、田舎の隠れ家といった趣です。
ホテルに到着すると、蓮の根の冷たいお茶と小さなブーケで迎えられました。ホテルのロビーからは大木が大きな枝を広げる中庭が見え、開放的で寛いだ雰囲気です。チェックインが終わると部屋に案内してもらいました。
フロア毎に異なる3種類のスイートルーム
ホテルは3階建てで、1階のプールスイート、2階のリンテラススイート、3階のフエンボンスイートと、フロア毎に異なる3種類の客室があります。部屋は全部で38室しかありません。
1階のプールスイートには、プライベートプールがあり、2階と3階はプールの代わりに広いリビングのようなバルコニーがあります。2階のバルコニーは、ちょうど敷地に植えられた木々の葉っぱに遮られて、川の景色は見えませんが、3階からは川が見えるそうです。
ホテルの人に聞いたところ、一番人気なのが3階のフエンボンスイートで、次に2階のリンテラススイートだそうです。1階のプールスイートは、特にプールで泳ぐ人がいないため、あまり人気がないそうです。ちなみに料金は1階と3階が同料金で、2階は少し安くなります。私は2階のリンテラススイートに宿泊しました。ちなみに、宿泊した日は平日でしたが満室で、とても人気があるようです。
緑に癒やされるリンテラススイート
階段でホテルの2階に上がると、白い小さな花が咲き乱れるオープンエアの通路があります。ホテルの通路ではなく、どこかの小道を歩いているような雰囲気でとても素敵です。
客室に入ると、まず目を奪われたのが、窓の外にある広いバルコニーです。バルコニーは木々の葉っぱに覆われていて、葉っぱの隙間からピン川が少し見えます。
バルコニーには、ソファとバーコーナーがあって、リビングのように寛げます。バーコーナーで一番目を引いたのは、10種類のハーブティーのセットでした。部屋に案内してくれた係の方が、一つ一つのハーブの効能を説明して、組み合わせのよいハーブも教えてくれました。
ソファの前のテーブルにはフルーツが盛られ、温かみのある陶器の食器がセットされています。フルーツの覆いやナプキンなど、小物がどれもシンプルでナチュラルです。
寝室にさりげなくおかれたインテリア小物や、バスルームのアメニティもタオルも、目に見えるもの、手に触れるもの全てが、チェンマイらしい手工芸品で揃えられていて、可愛くてため息が出てしまいます。
ふと感じたのは、ナチュラルでお洒落なリゾートとして有名なシックスセンシズと少し似ているなということでした。でも、ラヤヘリテイジは、チェンマイのローカル文化にスポットを当てていて、料金がシックスセンシズよりもお手頃です。小規模なブティックリゾートとしてはとてもレベルが高いと思います。
クカーオの野菜たっぷりのヘルシーな朝食
朝食はメインダイニングの「クカーオ」で頂きました。オーダー式のビュッフェで、メニューの中から好きな物を選ぶとテーブルに運んできてくれます。私が注文したアボカドチーズトーストは、グルテンフリーのパンの上にアボカドと目玉焼きとチーズを載せて焼いた上に、たくさんのみじん切りの野菜のサラダがトッピングしてありました。一品注文すると、コーヒー(又はお茶)、日替わりのサラダ、ハーブ入りのフレーバーウォーター、手作りのパンとジャム3種がずらりと並びました。野菜たっぷりのヘルシーな朝食で、とても満足でした。
クカーオでは、北タイの食文化と野菜を取り入れたオリジナルメニューがあり、朝食だけでなく、ランチやディナーもここで頂きました。
ラーンチャ ティーテラスの可愛すぎるアフタヌーンティー
ラヤヘリテイジのもう一つの注目は、アフタヌーンティーが人気のラーンチャ ティーテラスです。チェンマイらしい竹細工の3段トレイに、目移りするようなたくさんのメニューの中から、自分の好きなスイーツやセイボリーを6種類選ぶことが出来ます。
タイ北部の伝統医療を重視したアイワーンスパ
ラヤヘリテイジのスパは、トリートメントルームが2室だけの小さなアイワーンスパです。2室しかないのにメニューはとても豊富で、珍しいメニューも揃っています。竹を使ったバンブーマッサージやミャンマーの女性が美白のために使用するタナカを使用したフェイシャルトリートメントなど、伝統療法を重視した本格的なスパです。
チェンマイの自然と文化に触れるアクティビティ
ラヤヘリテイジでは、ローカルの文化や自然に触れることをコンセプトに、様々なアクティビティが提供されます。ホテル内で体験する手工芸品のワークショップなど、日替わりの無料アクティビティのほか、ローカル文化に触れる魅力的なオリジナルのツアーがたくさんあります。私は、タイの最高峰ドイ・インタノンに行くツアーに参加してみましたが、一般的な観光客向けのツアーとは一線を画した上質なツアーで、タイに長く住む私にとっても大変貴重な体験をすることができました。(ドイインタノン ツアーの詳細を読む)
ゆったりと週末を過ごすリゾート
今回は、2泊3日でラヤヘリテイジに滞在してみましたが、洗練された雰囲気と美味しい食事が特に印象的で、休日をのんびりと過ごすのにはとてもいいリゾートだと思いました。スタッフの皆さんも優しく、とてもゆったりとした物腰で、ついつい急ぎがちの自分を戒めながら、チェンマイのゆっくりした時間の流れを楽しむことができました。
但し、リゾート内にレストランは1箇所しかなく、周囲にも何もないので、長期で滞在すると飽きてしまうかもしれません。また、チェンマイ旧市街への無料シャトルバスがあるとはいえ、片道30分もかかるため、観光地へのアクセスは良いとはいえず、観光目的でチェンマイを訪れる場合にはおすすめできません。週末にちょっと気分を変えて、1泊か2泊滞在するくらいが、ちょうどいいのではないでしょうか。
ラヤヘリテイジ の基本情報
Raya Heritage
住所:157 Moo 6, Tambol Donkaew, Amphoe Mae Rim, Chiang Mai 50180, Thailand
アクセス:チェンマイ国際空港から車で約30分
注意事項:6歳未満のお子様は宿泊できません
ラヤヘリテージのマップ: