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チェンマイにあるタイで一番高い山 ドイインタノン
ドイインタノン (Doi Inthanon)は、タイ北部のチェンマイ県にあるタイで最も高い山です。最高地点の標高は2565mあります。ドイインタノン一帯は、ヒマラヤ山脈にも連なる山岳地帯で、カレン族やモン族などの山岳民族が暮らしています。大自然と絶景、そして山岳民族の暮らしなど、ドイインタノンには、様々な楽しみ方がありますが、最も行きやすいのは、山頂地点とツインパゴダです。
ドイインタノンは、チェンマイ中心街から車で2時間ほど走った場所にあります。少し市街地から離れていることもあって、なかなか行くチャンスがありませんでしたが、2020年10月、チェンマイ郊外にあるラヤヘリテイジというホテルに滞在した際、ホテルオリジナルのプライベートツアーを利用して、初めてドイインタノンを訪れました。そのツアーで立ち寄った場所を中心に、ドイインタノンの見どころと魅力をまとめてみました。
ドイインタノン国立公園への行き方
ドイインタノンは、タイの国立公園に指定されています。ドイインタノン国立公園の入口では、入場料を支払わなければなりません。入場料を支払ってしばらく走るともう一つのチェックポイントが見えて来ます。ここでちゃんと入場券を持っているかどうかチェックが入ります。山頂までの道路は整備されているので、車で山頂まで一気に駆け上がることが出来ます。
私はツアーを利用して行きましたが、山頂付近では自家用車(又はレンタカー)で来ている人や、ソンテウを貸し切って来ている人もいました。但し、山頂付近は霧が濃くなると視界がほとんどなくなります。山道で蛇行しているため、慣れた人でないと自分で運転するのは危険だと聞きました。また、ソンテウだと料金は安いですが、チェンマイ市街から2時間もかけて、トラックの荷台のような座席に座り、エアコンなしで移動することになり、とても大変そうです。なので、もし行くのなら、ツアーかドライバー付きの車で行く方が賢明だと思います。
ラヤヘリテイジのエコバレーツアー(A Day of Eco Valley Tour)のリンク
ドイインタノン山頂:タイ最高地点に到着
山頂付近に到着すると、その日の気温は11度で、地上とは10度以上の差がありました。薄いダウンジャケットを着込み、山頂付近を散策しました。まず絶景ポイントに行きましたが、辺りは霧で覆われていて、あまり景色はよく見えません。
チェンマイのベストシーズンは、乾季(11〜2月)と暑季(3〜4月)と言われていますが、ドイインタノン山頂は乾季には霜が降りるほど気温が下がります。また霧も出やすく、すっきりと晴れた青空が見えるのは、暑季(3〜4月)限定なのだそうです。
霧でしっとりと濡れた高山植物が茂る遊歩道を歩くと、苔に覆われたインタノン王の記念碑に到着しました。インタノン王の記念碑のそばには「タイ国最高地点」と書かれた看板が建っていて、格好の記念撮影スポットになっています。
ドイインタノン の歴史がわかる展示館
さらに遊歩道を歩いていくと、ドイインタノンの歴史や自然、ドイインタノンで暮らす山岳民族の暮らしなどを紹介する展示館があります。
タイ北部には、以前ラーンナー国という王国がありました。ラーマ5世(在位1868-1910年)の時代に、ラーンナー国はタイ(当時はサイアム)に編入されました。当時ラーンナー国を納めていたチェットゥン王朝第7代のインタノン王(在位1870-1897年)の娘、ダーラーラッサミー王女はラーマ5世に嫁ぎましたが、父の没後、父が愛した山の頂上に記念碑を建て、父の遺骨を納めました。そして、父の名前にちなんで、山の名前も元のドイルアンからドイインタノンへと改称されました。ちなみに「ドイ」はタイ語で「山」という意味です。
ドイインタノン近辺は、約130年前にタイ国王ラーマ5世によって、タイの森林局が管轄する国有地に指定されました。それ以前から暮らしていたカレン族(約200年前に移住)、モン族(約150年前に移住)は、現在も国立公園内で生活することが許されているそうです。
その後、ドイインタノンはタイの国立公園に指定されましたが、先住民であるモン族は、山の中で大麻の栽培をしていて、タイ北部は世界的な大麻の生産地として知られるようになりました。しかし、タイ国王ラーマ9世(在位1946-2016年)が王室プロジェクトを開始し、大麻の栽培を止めて、代わりにコーヒー豆や有機栽培の野菜など、様々な農作物を育てて、自立した生活ができるよう支援を行いました。カレン族も王室プロジェクトにより、現在は化学肥料を使用しない有機栽培農業に変わっています。王室プロジェクトによって誕生したコーヒー豆や有機野菜などは、今はタイ北部の名産品として、タイではとても人気があります。
ツインパゴダ:タイ国王ラーマ9世と王妃の記念仏塔
山頂付近での見学を終えると、車に乗って少し山を下った場所にあるツインパゴダを見学しました。見学料として別途40バーツを支払います。ここには、タイ国王ラーマ9世(プミポン国王)と、ラーマ9世の妃であるシリキット王妃の60歳の誕生日を記念して建てられた2基の仏塔が建てられています。お二人は年の差が5歳で、プミポン国王の仏塔が1987年に建てられ、その5年後の1992年にシリキット王妃の仏塔が建てられました。2つの仏塔には仏像が安置され、仏様の髪の毛が納められているそうです。ツインパゴダは通称で、正式名は「プラマハータート・ナパメーティニドン・ナパポンプミシリ(พระมหาธาตุนภเมทินีดล นภพลภูมิสิริ)」という長い名前です。
仏塔はとても大きく、周囲に広大な庭園があるため、2基の仏塔を一度に写真に収めるには、ドローンでも使わないと難しいようです。それぞれの仏塔は小高い丘の上に建てられていて、階段かエスカレーターで昇っていきます。
まず、向かって右側にあるシリキット王妃の仏塔を見学しました。仏塔の周囲には庭園があり、特に乾季(11月〜2月)は色とりどりの花が咲き乱れて美しいそうです。館内にはすらりと細い白い仏像が安置されています。王妃様らしい、とても女性的な雰囲気でした。
向かって左側のプミポン国王の仏塔には庭園はありませんが、展望台になっていて、見晴らしが最高です。但し、霧が出やすいので、本当にきれいな絶景を見たければ、暑季(3〜4月)に来なければなりません。館内の仏像はどっしりした坐像で、王妃様の仏像とは対照的に男性っぽい印象でした。
山岳民族の暮らし:カレン族とモン族
ドイインタノンでのもう一つの見どころは、地元に住むカレン族やモン族の村を訪れて、山岳民族の暮らしや文化に触れることでしょう。私はホテルのオリジナルツアーに参加していったので、ホテルのオーナーの知り合いのカレン族のご夫婦が営む有機栽培の農園を見学し、農園で採れた新鮮な野菜を使ったランチを頂くという貴重な機会に恵まれました。このツアーは、ラヤヘリテイジ、又はタマリンドビレッジというホテルが主催しています(ツアーの詳細を見る)。一般のツアーでも、山岳民族の村を訪れることができるものもあるので、チェックしてみるとよいでしょう。
トレッキングコースで大自然を満喫
ドイインタノンの大自然を満喫するには、トレッキングを楽しんでみることを強くおすすめします。ドイインタノンには、いくつものトレッキングルートがあり、地元に住むカレン族やモン族のガイドと一緒に歩きます。これは、山岳民族のコミュニティをサポートする目的で行われていますが、慣れない山の中を歩くため、安全面からもガイドと一緒に歩くことが必要だと思います。(ドイインタノン トレッキング の詳細を読む)
私は、パードークシアオ滝(Pha Dok Siew Natural Trail)の2.6kmのコースを、カレン族のガイドさんと一緒に滝や棚田の景色を楽しみながら、3時間かけて歩きました。ゴール地点のカレン族の村落には、ローカルなコーヒーショップがあり、ちょうどよい休憩場所になりました。
以上、ツアーで行った見どころをいくつか紹介しましたが、個人的に一番印象に残ったのは、カレン族のご夫婦のオーガニック農園でのランチとトレッキングでした。山頂やツインパゴダは、車で簡単に行って見学できますが、ローカルの人々との触れあいは、何にも代えがたい貴重な体験でした。ドイインタノンに行くには、チェンマイに最低2泊して、丸1日かけて行く必要があります。もしチャンスがあれば是非行って見て下さいね。
ドイインタノン国立公園 の基本情報
Doi Inthanon National Park
住所:Moo 4, Pak Chong, Nakhon Rachasima 30130 Thailand
国立公園入場料:(外国人)大人300バーツ、子供150バーツ
(タイ人)大人50バーツ、子供20バーツ
ツインパゴダ入場料:大人40バーツ
開園時間:5:30〜18:30
ウェブ: https://www.thainationalparks.com/doi-inthanon-national-park
マップ: