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アユタヤで話題の予約困難店「Ruen Jarung(ルアン・チャルン)」へ
「 Ruen Jarung (ルアン・チャルン)」というレストランの存在を知ったのは、まったくの偶然でした。しかも、タイでも屈指の予約困難店だというのに、昨年から予約していた知人のグループに運よく加わることができ、実際に訪問する機会に恵まれたのです。

2025年9月、事前知識ゼロで訪れた「Ruen Jarung」は、アユタヤの田園風景に溶け込む伝統家屋で、忘れがたいほど美味しいタイの家庭料理を味わえる貴重な場所でした。本記事では、この特別な食体験の様子と「Ruen Jarung」の魅力を詳しくご紹介します。

オーナーの実家で受け継がれた、家庭料理の原点
「Ruen Jarung(ルアン・チャルン)」は、アユタヤ遺跡群の中心から離れた静かな田園地帯にあります。

オーナーのミァオさんは、当初この古民家でホームステイを営んでいましたが、そこで提供していた料理が評判となり、口コミで広がっていきました。現在は週末限定の完全予約制レストランとして営業しています。

ここで提供される料理は、アユタヤ出身のミァオさんと、シラチャー出身のパートナーのプムさん、それぞれの実家に伝わる家庭料理がベース。アユタヤは「辛味と塩気が強い味」、シラチャーは「甘みのあるまろやかさ」と、地域によって味の特徴が異なり、2人のシェフがその個性を見事に融合させています。
観光客向けのレストランでは滅多に出会えない、本物のタイ家庭料理が味わえるのは「Ruen Jarung」の大きな魅力です。

幻の味「ナムプリック・キーカー(น้ำพริกขี้กา)」との出会い
私が「Ruen Jarung(ルアン・チャルン)」に興味を持ったきっかけは、ククリット・プラモート氏の著作『ナムプリック』でした。そこで初めて知ったのが、ナムプリック・キーカー(น้ำพริกขี้กา)という珍しいチリペーストの存在です。
ナムプリックとは、アユタヤ時代から伝わる基本的なタイ料理で、地域ごとに多様なバリエーションがあります。各地でナムプリックを食べ歩いている私でも、この「ナムプリック・キーカー」は初耳でした。

調べてみると、それを提供しているのが「Ruen Jarung」。レストランに詳しい友人に尋ねると、なんと半年以上前から予約が必要な超人気店だとわかりました。そして幸運なことに、その友人のグループに同行できることになり、幻のナムプリックを味わう機会を得たのです。

タイの田園風景に佇む、伝統家屋レストラン
当日は13名のグループで、バンコクから車で約1時間の道のりを経てレストランへ向かいました。アユタヤに近づくにつれ、車窓にはどこまでも広がる田園風景が広がり、旅情が一気に高まります。

「Ruen Jarung」は、田園の脇に佇む伝統的なタイ様式の木造2階建ての古民家。1階には大きなダイニングテーブルが2組、2階にも席があります。私たちが案内されたのは、水辺に浮かぶような離れのテラス席。

調理は敷地内の独立したキッチン棟で行われ、田園ビューのトイレまでもが印象的。全体が「日常から離れた時間」を演出しています。

80品から選ぶ、タイ家庭料理の饗宴
席につくと、セルフサービスでドリンクを準備し、いよいよ料理の登場です。今回は主催者の方が事前に80品ものメニューの中から全15種類をセレクトしてオーダーしてくださっており、みんなでシェアしながら少しずつ試食しました。
看板料理の一つは、「ナムプリック・カピ・ソーンメー(น้ำพริกกะปิสองแม่)」(900バーツ)。2人の母のレシピを同時に味わえる海老味噌ディップのセットで、プラトゥー(アジ)の揚げ物や卵焼き、季節野菜とともにいただきます。

もう一品の人気料理は「伝説のカイパロー(ไข่พะโล้ในตำนาน)」(450バーツ)。鶏卵と豚肉を3日間煮込んだ濃厚な一皿で、卵の白身が中まで茶色く染みた深い味わいは、これまで食べたパローとは一線を画します。

そして念願の「ナムプリック・キーカー」も登場。ククリット氏の記述では干しエビが主材料でしたが、「Ruen Jarung」では魚のすり身を使用。カピ(海老味噌)を使わない爽やかな風味が特徴で、一般的なレストランでは出会えない希少な伝統料理です。

その他の料理もどれも素朴で丁寧な味わい。ひと皿ごとに家庭料理の奥深さと地域性が感じられました。特に印象的だったお料理の一部をご紹介しましょう。






全ての料理を少しずつ味見しただけで、もうお腹いっぱいだったのでデザートは一口だけ。

Ruen Jarung の予約方法と訪問のコツ
私自身は幸運にもすでに予約していた方と一緒に訪れることができましたが、「Ruen Jarung(ルアン・チャルン)」は予約のハードルが非常に高いことで知られています。
- 営業は週末のみ
- 最低8名からのグループ予約制
- 予約受付開始から数秒で満席

まずはお店のLINEで予約開始時期を確認し、希望日時と人数を申し込みます。8名に満たない場合でも、8,000バーツ以上の注文で予約可能。
予約が確定すると、訪問前にメニューが送られてきて事前オーダーと支払いを済ませます。一皿の量が多いため、注文しすぎに注意しましょう。
個々の料理の料金は未確認ですが、今回は割り勘で一人1,200バーツだったので、かなりお手頃だと思いました。
席の確保はまさに争奪戦。受付開始後わずか「8秒」で満席になることもあるため、準備と情報収集が成功の鍵です。
訪問後の感想:食文化の奥深さに触れる時間
「Ruen Jarung(ルアン・チャルン)」での体験は、単なる食事を超えたものでした。アユタヤの自然に囲まれた空間、家庭に受け継がれてきた味、そして希少な「ナムプリック・キーカー」との出会いは、“食で文化を旅する”時間そのものです。
観光ガイドには載らない、深くて豊かなタイの一面に触れたい人には、間違いなく訪れる価値のある場所だと感じました。

Ruen Jarung (ルアン・チャルン)の基本情報

Ruen Jarung Ayutthaya Real Chillin’ House(เรือนจรุง)
住所:67/3, Moo 2, Ban Wa, Bang Pa-in District, Phra Nakhon Si Ayutthaya 13160 Thailand
営業日:土・日のみ
営業時間:11:00〜19:30
予約方法:LINE(ID:@ruenjarung)で受付開始時期を確認して予約
予約人数と時間帯:
15〜20名(母屋1階):11:00、14:00、17:00
8〜10名(母屋2階):12:00、15:00
8〜12名(水上の離れ):12:30、16:00(1組2時間半)
条件:8名未満でも8,000バーツ以上の注文で予約可
アクセス:バンコクから車で約1時間
公式Facebook:https://www.facebook.com/ruenjarung.ayutthaya.real.chillin.house
Ruen Jarung (ルアン・チャルン)の地図
参考サイト
https://thestandard.co/ruenjarung-ayutthaya/
バンコクの予約困難店6選はこちらの記事をご参考ください。
