バーン・スリヤーサイ(Baan Suriyasai):ブンナーク家邸宅のタイ宮廷料理店

バーン・スリヤーサイ

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バーン・スリヤーサイの概要

バーン・スリヤーサイ(Baan Suriyasai)は、バンコクのスラウォン通りにあるタイ宮廷料理のレストランです。

コロニアル調の優雅なレストランの建物は、タイ国王ラーマ5世時代に権勢を誇った有力貴族ブンナーク家の一族の元邸宅。

現在は歴史的建造物にも指定されている100年前の貴族の邸宅で、本格的なタイの宮廷料理を楽しみながら、ラタナコーシン王朝の歴史に思いを馳せてみました。

バーン・スリヤーサイ
かつての有力貴族の邸宅を改装したタイ料理レストラン

バーン・スリヤーサイのロケーション

バーン・スリヤーサイは、バンコクのビジネス街シーロム通りに並行するスラウォン通りにあります。

BTSチョンノンシー駅からは徒歩10分ほどで行くことができます。

バーン・スリヤーサイ
目印はバーン・スリヤーサイの「S」の文字の紋章

現在はお世辞にも美しいとは言えない、雑然としたスラウォン通りに、知らなければつい通り過ぎてしまいそうな優雅なバーン・スリヤーサイの門があります。

「S」の文字をデザインした美しい紋章が目印。

門を入ると小さな庭があり、突き当たりのコロニアル調の一軒家が目的のレストランです。

バーン・スリヤーサイ
コロニアル調の美しい建物と中庭

ブンナーク家の歴史的建造物

バーン・スリヤーサイは、もともとラーマ5世時代に摂政の地位にまで上りつめ、権勢を誇ったブンナーク家の一族のお屋敷でした。

ブンナーク家の祖先はアユタヤ時代にシャム貴族となったペルシャ系商人にまで遡ることができますが、ラタナコーシン時代を創始したラーマ1世のアマリン王妃の外戚であったことから、官僚貴族として重要な地位を占めるようになり、ラーマ5世時代に権力の絶頂期を迎えました。

バーン・スリヤーサイ
歴代のブンナーク家一族の肖像画の飾られたホール

もともとはチャオプラヤー川西岸のトンブリー地区に一族が居住していましたが、ラーマ5世時代のバンコクの土地開発ブームに乗って、チャオプラヤー・スラウォンワッタナサックという官位にあったトー・ブンナーク氏が、スラウォン通り周辺を開発。

スラウォン通りという名前は彼の官位名に由来しています。

そのため、当時はトー・ブンナーク氏の子息たちのお屋敷がスラウォン通りに立ち並んでいたそうです。

その頃、ブンナーク家の一族は膨大な数になっていて、トンブリーの本家周辺から離れて新しい場所へと移り住む人も多かったのだとか。

因みに、ブンナークという苗字は、後のラーマ6世時代に下賜されたものですが、ここではわかりやすいようにブンナーク氏と記載しています。

トー・ブンナーク スラウォン通り
スラウォン通りを開発したトー・ブンナーク氏

テム・スリヤーウォン・ブンナーク邸

もともと、バーン・スリヤーサイのお屋敷を建てたのは、トー・ブンナーク氏の息子の一人であったテム・スリヤーウォン・ブンナーク氏でした。

テム氏の奥様であるピット夫人も、カム・ナ ポムペット氏という有力貴族のお嬢様で、シーロム通りに実家があった(現在のITFタワーの場所)こともあり、トンブリーからスリウォン通りへと引っ越ししてきました。

テム・ブンナーク
バーン・スリヤーサイの最初の当主であったテム・ブンナーク氏の家族写真

多くのお屋敷が取り壊され、スラウォン通りもシーロム通りも昔の景観が全く変わってしまっている中、バーン・スリヤーサイだけが美しいお屋敷の姿を現代にまで留めています。

さらには、一般客が利用できるレストランとして公開されているのは、本当に嬉しいことです。

バーン・スリヤーサイは、2004年にサイアミーズ建築協会から素晴らしい歴史的建造物として賞を受賞しました。

歴史的建造物
優れた歴史的建造物として賞を受賞

タイ宮廷料理を再現したメニュー

バーン・スリヤーサイの建物の素晴らしさもさることながら、お料理もとてもこだわりがあります。

宮廷料理人や王族女性が書いた有名な昔の料理本のレシピを再現して提供しているのです。

メニューの最後のページには、それぞれの料理の出典まで掲載されていて、昔のレシピ本を読むのが好きな私は、本当に感動してしまいました。

今回はお試しで前菜の盛り合わせとメインのお料理一品とデザートを注文してみました。

バーン・スリヤーサイ ナムデーン
食事の前にサービスされるナーム・デーン

前菜3品盛り合わせ

チキン・サテ(สะเต๊ะไก่)、カノム・ブアン(ขนมเบื้อง)、プラーヘン・テンウリット(ปลาแห้งแตงอุลิต)。有名な宮廷料理のスナックが少しずつ盛り合わせてあります。

チキン・サテは、ドゥシット宮殿の宮廷料理人だったニュアン・ニララットさんという王族女性が書いた「チーウィット・ナイワン(宮廷生活)」という有名な書籍に出てくる料理のレシピを参考にしています。

バーン・スリヤーサイ 前菜
前菜3種盛り合わせ、真ん中がチキン・サテ

メイン料理

ラーマ6世の混ぜご飯(ข้าวคลุกรัชกาลที่ ๖)

スパイシーなナムプリック・パオの混ぜご飯に、様々なトッピングが華やかに盛り付けてあります。

葬儀本としてまとめられたポーン・マーラークンさんという王族女性の料理レシピを再現したものです。

タイ料理 宮廷料理
ちょっとスパイシーなラーマ6世の混ぜご飯

デザート

バナナのシロップ煮(กัทลีจำศิล)

クルアイ・ナムワー(กล้วยน้ำว้า)という種類のバナナを数時間煮込んで、ロゼール(กระเจี๊ยบ)の花の甘酸っぱい赤いシロップと生クリームを添えたバーン・スリヤーサイ特製デザート。バーン・スリヤーサイがラーマ7世の宮廷料理人から受け継いだレシピ。ホームメイドのタイ・クッキー「クリープ・ラムドゥアン(กลีบลำดวน)」付き。

デザート タイ料理
ロゼールの赤が鮮やかなバナナのシロップ煮

最近は、チャルーン・クルン通りの「Aksorn バンコク」など、宮廷料理を独自のアレンジを加えた料理を出すタイ料理レストランも増えています。

しかしながら、バーン・スリヤーサイの料理は、昔ながらのレシピを守り、当時の料理を忠実に再現しようとするスタイル、いわゆる正統派といえます。

お料理そのものも美味しく、特に昔のタイの宮廷料理に興味がある方は訪れる価値があるでしょう。

「One Bangkok」にも支店ができましたが、やはりおすすめはスリウォン店だと思います。

タイ料理 ジュース
デザートの前にサービスされたレモングラスのジュース

ティールームで食後のコーヒー

バーン・スリヤーサイの敷地内には、レストランとは別にティールームもあります。

食事の後に少し覗いてみました。オリジナルブランドの紅茶やタイ菓子も販売しているようです。

バーン・スリヤサイ ティールーム
レストランの隣にあるティールームも偵察

タイ菓子のアフタヌーンティーなどもありましたが、食後でお腹がいっぱいだったので、とりあえずコーヒーだけいただきました。

窓際の席で中庭の緑を眺めていると、バンコクのビジネス街にいることをすっかり忘れてしまいそうなくらい、のんびりすることができました。

バーン・スリヤーサイ 中庭
バンコクのビジネス街とは思えない癒し空間

セットメニューは事前予約要

この日はアラカルトのお食事を試してみましたが、もっといろんなお料理が食べられるセットメニューもあるそうです。

セットメニューは3種類(2,695バーツ、3,555バーツ、4,595バーツ)があり、3日前までにLINE経由で予約して、デポジットの支払いが必要だそうです。

珍しい料理をいろいろ試してみたいので、次回はセットメニューにしたいと思います。

3月から4月ごろには、タイの暑季の風物詩として有名な季節限定の宮廷料理「カーオチェー(ข้าวแช่)」もあるそうです(要事前予約)。

バーン・スリヤーサイ
セットメニューは事前予約とデポジット支払いが必要

バーン・スリヤサイの基本情報

バーン・スリヤーサイ
BAAN SURIYASAI (บ้านสุริยาศัย)
住所:174 Surawong Road, Suriyawong, Bangrak, Bangkok 10500 Thailand
営業時間:レストラン11.00-15.00 & 17.00-22.00
ティールーム10.00-18.00
ドレスコード:スマートカジュアル
アクセス:BTSチョンノンシー駅より徒歩10分
公式サイトhttps://www.baansuriyasai.com

バーン・スリヤサイのマップ

参照サイト

http://www.bunnag.in.th/oldsite/prarajpannuang100.html

http://www.bunnag.in.th/oldsite/history7-home6.html

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=3914068388818706&id=1445097749049128&set=a.1731939443698289&locale=ms_MY

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