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Khaan バンコク の概要
Khaan バンコク は、2023年にバンコク都心にオープンしたタイ料理のレストランです。
バンコクのミシュランガイドで1つ星を獲得した実力派のオムシェフが独立して開業しました。
タイの伝統的な調理法や郷土料理を全国から集め、洗練したコースとして提供しています。
一般的なタイ料理レストランでは絶対に味わえない、マニアックで独創的な料理が楽しめます。
Khaanバンコクは、BTSチットロム駅直結のセントラル・デパートの裏手にあるソイ・ソムキット通りにあります。駅からは徒歩10分くらいです。
今をときめくタイ人女性シェフのオムさん
Khaanバンコクのシェフは、オムシェフこと、スチラー・ポンモーンさんという女性です。
彼女は幼少の頃から料理が得意で、学校を卒業すると同時にマンダリン・オリエンタル・ホテルの厨房で本格的に料理人としての人生を歩み始めました。
その後バンコクのレストランで、国際的に有名なシェフのもとで腕を磨いてきました。
2019年から2022年には「Saawaan」というタイ料理レストランのシェフを務め、ミシュラン一つ星を獲得。
2021年にはタイのヤング・ミシュラン・シェフにも選ばれた実力派です。
2023年にオムシェフが独立してオープンしたKhaanは、バンコクの食通の間ではすぐに話題になりました。
Khaanバンコクの予約
私もオープンしてまもない2024年1月に、初めてKhaanを訪れました。
予約はお店のウェブサイト経由。一人当り2000バーツのデポジットをクレジットカードで支払いました。
料理のメニューは3,850バーツのテイスティングメニューのみです。
料理に合わせるドリンクは、ワインペアリングのほか、ちょっと珍しいティーペアリング(690バーツ)もあります。
実はその後2024年6月にも再訪したのですが、どちらもすぐに席が取れました。もともと席数が多く、今のところ、予約困難な状況ではなさそうです。
赤と白を基調にしたモダンなレストラン
お店は赤と白を基調にしたモダンな一軒家レストラン。ガラス張りのキッチンが通りからも見えます。
お店の中は、1階と2階に席があり、プライベートルームもあって、かなり広いです。
シンプルでモダンなインテリアに、タイらしいの装飾がさりげなく溶け込んでいます。
難解だったKhaanのメニュー
楽しみにしていたディナーですが、なんと想像以上にマニアックなタイ料理のオンパレード。
聞き慣れないタイの郷土料理の調理方法や材料を、複雑に組み合わせて、新しい料理を創り出しているのです。
1回聞いただけでは理解できない部分も多く、2回目はメモ用紙とペンを握りしめて食事に行ってきました。
料理の説明をメモしながら、わからないところは、しつこいほどお店の人に聞き直し(きっと面倒な客だと嫌がられていたでしょう)、ようやくKhaanの料理の奥の深さや、オムシェフが目指す料理の世界が少し理解できるようになりました。
タイの郷土料理文化を凝縮した一皿
Khaanの料理の特徴をご理解いただくため、前菜を一品だけ紹介しましょう。
カーオ・パン・パック(ข้าวพันผัก)と名付けられた料理は、タイ北部のウタラディット県ラップレーの郷土料理を彷彿させます。
しかし、Khaanのカーオ・パン・パックは、ラップレーのオリジナルとは似て非なる料理。
まずはカーオ・パン・パックと共にテーブルに置かれた瓶。瓶にはタイ南部のパッタルン県産のカーオサンヨット種のお米が水に浸してあります。
これは、タイの伝統的な米粉の製造方法で、お水を毎日替えながら、7日間浸水させて、水気を含んだ柔らかなお米を石でできた製粉器に流し込み、すりつぶした米粉の水分を切って乾燥させて米粉を作るのだそうです。
カーオサンヨット種のお米は、多種のお米より、もっちり感があって美味しいのだとか。
その米粉を使って作った生地には、タイの昔ながらの野菜の保存方法を応用した、熟成野菜を包み、生姜の漬物のソースが添えられます。
料理を構成する素材の一つ一つに、タイの郷土料理文化がギュッと凝縮された素晴らしい一品です。
タイ全国の食を巡るテイスティングメニュー
郷土料理へのこだわりを詰め込んだKhaanのテイスティングメニューは、全11品と書いてありますが、実際にはもっとたくさんのお料理が出てきます。
メニューの構成
突き出し4品
前菜3品
スープ1品
口直し1品
メイン2品
口直し1品
デザート1品
プティフール4品
帰り際のお土産
数えてみたら、全部で19品もありました!
印象的だった料理
特に印象的だったお料理をいくつかご紹介しましょう。
突き出しは、タイの北部、東北部、中部、南部を代表する郷土料理をアレンジした4つの品。全国のタイの味を届けたいというシェフからのメッセージです。
スープは牡蠣のトム・カー。本来ココナッツミルクでできたスープなのですが、乳酸醗酵きのこの酸っぱいスープにエスプーマしたココナッツミルクを添え、さらに牡蠣クリームで酸味をまろやかにするという独創的で、非常にインパクトの強い料理でした。
スープの後のお口直しのソルベは、北部のトマトを入れたナムプリックオーンと南部プーケットの「オーエウ」という赤いかき氷風のデザートの組み合わせ。
別の地方の赤い料理の組み合わせを、赤いお皿でさらに印象付けています。
メインは魚と肉の2品。魚はラヨーン、ラノーン、クラビで採れた3種類の魚を使い、魚のアラで出汁をとったスープとイサーン地方の爽やかなハーブをトッピング。
お肉料理はラム肉のカレー。
タイ国王ラーマ5世が海外視察に行った際にお気に召され、帰国後に再現したという逸話のある宮廷料理ケーン・ブンバイをアレンジしたものだそうです。
ラム肉のサクッとした焼き具合も絶妙。
他のレストランでは食べたことがない、とても珍しい料理をいただくことができました。
かぼちゃ尽くしの3種類のお菓子を盛り合わせたデザートの後、最後のプティフールは、前菜と同様、タイの4つの地方のお菓子を1個ずつ。
全国の郷土料理巡りはこれでおしまいです。
帰り際には、お店のオリジナルのナムプリックとかぼちゃジャムの瓶詰めをお土産にいただきました。
Khaan バンコクの感想
最近は、タイ料理をおしゃれなコース仕立てで提供するレストランは、バンコクでは珍しく無くなってきましたが、Khaan はとても個性的だと思いました。
特に、現代の人々が忘れてしまったような、昔ながらのタイの調理法や保存食の文化が、現代的で美味しい料理に様変わりして、次々と目の前に運ばれてくるので、タイにはこんな食文化もあったのかと感心し、驚くばかりでした。
どの料理も、お店の方が一品ずつ丁寧に説明してくれるので、タイの食文化の勉強にもなりました。
バンコク出身のオムシェフがここまで様々な料理を知るためには、きっと全国各地をくまなく回って研究したのだと思います。
改めてタイ料理の奥深さを思い知らされ、好奇心を刺激されたディナーでした。
Khaan(カーン)バンコクの基本情報
KHAAN
住所:14/3 Soi Somkid Lumphini Pathumwan 10330 Bangkok Thailand
営業時間:17:00〜01:00(ラストオーダー21:30)月曜定休
アクセス:BTSチットロム駅より徒歩10分
公式サイト:https://www.khaanbkk.com
Khaan バンコクのマップ:
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