キティ・パーニット:チェンマイの歴史的建造物で味わう新感覚の北タイ料理

キティ・パーニット

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歴史的建築を活かしたレストラン「キティ・パーニット」

キティ・パーニット(Kiti Panit)は、チェンマイ旧市街の東にあるターペー通りにある北部タイ料理レストランです。

もともとは1888年にチェンマイ初のデパートとして建てられた建物で、黄色く塗られたビルマ風チーク材の木造建築がひときわ目を引きます。

キティ・パーニット
ターペー通りでひときわ目を引く黄色い建物

長らく放置されていたこの建物を、バンコクのミシュランレストラン「LeDu(ルドゥー)」の共同経営者である”タオ”ことルンロート・インクターノン氏が、レストランとして蘇らせました。

かつてのラーンナー王国の多様な民族料理を、現代的に再構築した素晴らしい料理を提供し、瞬く間に評判となりました。

オープン以来ずっと気になっていたレストランでしたが、ようやく2025年6月に訪れることができました。

キティ・パーニット
100年以上前のデパートが北部タイ料理のレストランとして蘇った

チェンマイの歴史を語る建物

キティ・パーニットがあるターペー通りは、チェンマイ旧市街の東門とピン川を結ぶ要所で、かつては商業の中心地でした。今でもワローロット市場など、100年以上の歴史を持つ古い市場が多く残るエリアです。

チェンマイ ピン川
チェンマイ市内を流れるピン川

レストランの建物は、1888年にチェンマイ初のデパート「キティ・パーニット」として建てられたもの。黄色く塗られたビルマ風のチーク材建築が印象的です。

1888年当時チェンマイでは多くのイギリス人がビジネスをしていて、イギリスの植民地だったビルマからも多くのビルマ人が移住したという歴史的な背景がうかがえます。

デパートとしての役割を終え、50年間近く放置されていましたが、バンコクのレストラン「LeDu(ルドゥー)」の共同経営者である”タオ”ことルンロート・インクターノン氏は、偶然この建物が自らの一族の所有であることを知り、レストランとして再生を決心しました。

キティ・パーニット
バンコクのレストランで成功したタオ氏の一族が所有

「キティ・パーニット」にバンコクの精鋭チームが結集

開業にあたってタオ氏は、バンコクの飲食業界で活躍する才能あふれるプロフェッショナルたちとチームを結成します。

・料理監修は、タイ料理店「カーン(Khaan)」の若手女性シェフのスチラー氏(オムシェフ)が担当。2021年にヤング・ミシュラン・シェフにも選ばれた実力派で、伝統的な調理法や食材を活かしながら新しい味を生み出す手腕に長けています。

キティ・パーニット
バンコクの精鋭チームがキティ・パーニットの開業に協力

・デザートは、創作タイ料理店「サワン(Saawaan)」のエグゼクティブ・パティシエのアリサラー氏が担当しました。

・空間演出には、「イッサヤ・サイアミーズ・クラブ(Issaya Siamese Club)」や「ピザ・マッシリア(Pizza Massilia)」など数々の人気レストランを手がけるフランス人のフレデリック・マイヤー氏が参加し、コンセプトやインテリアに関するアドバイスを提供しました。

こうして、チェンマイの歴史的建築が、最新の感性を取り入れたタイ北部料理レストランとして見事に蘇ったのです。

キティ・パーニット
古さを活かしながらもお洒落な店内

店内の雰囲気:歴史と美が交差する空間

ビルマ風のキティパーニットの建築も一見の価値があります。

店内は広々としていて、古い建物の趣をそのままに、ビンテージ感漂う空間に仕上がっています。窓や屋根には、繊細な木造彫刻の装飾も。

キティ・パーニット
建物の裏側のパティオから2階に上がる階段
歴史的建造物 窓
窓や屋根の先に施された繊細な装飾

スタッフの方に勧められ、お店の裏のパティオに抜け、階段を上がって2階に上がってみると、薄暗いがらんとした空間が広がっていました。

デパートを経営していた中華系移民ファミリーの中国語の看板も残っています。

電気がついていない人けのないホールに立つと、なんだかタイムスリップしたような不思議な感覚に包まれました。

キティ・パーニット
時が止まったような2階のホール

「キティ・パーニット」でいただいた北部タイ料理4品

ランチに訪れた日は、ワローロット市場を散策した後に立ち寄り、予約なしのウォークインでしたが問題なく入店できました。

ターペー通り キティ・パーニット
ワローロット市場を散策した後ウォークインで入店

2人で一人当たり2品ずつ注文し、ボリュームのたっぷりのランチになりました。デザートまで辿り着けなかったのが唯一の心残りです。

注文した料理をご紹介しましょう。

①ナムプリック・オーン(น้ำเพริกอ่อง  190バーツ)

トマトベースのチリペーストで、北部タイを代表する料理。揚げた豚の皮「ケープムー」や野菜と一緒にいただきました。

ナムプリック・オーン
ケープムーや野菜と一緒にいただく「ナムプリック・オーン」

②発酵茶の和え物(ยำใบชาหมัก  210バーツ)

カレン族などの山岳民族が作る発酵茶「バイチャーマック」の和え物。初めて食べる不思議な食感に戸惑いましたが、さっぱりとした味わいでした。

発酵茶 カレン族
山岳民族の発酵茶を使ったサラダ

③タイヤイ族のミートボール「ヌアルン」(เนื้อลุง  770バーツ)

ハーブをたっぷり練り込んだ肉団子がスープに浮かんでいて、風味はタイ北部のソーセージ「サイウア」に似つつもより軽やか。絶品でした。

ヌアルン タイヤイ族
タイヤイ族のミートボール「ヌアルン」

④牛肉の山椒炒め煮(คั่วเนื้อมะแขวน  440バーツ)

タイ北部で使用される山椒「マクウェン」の風味が効いた濃厚な一皿。柔らかく煮込まれた牛肉は、ご飯と一緒にカレー感覚で楽しめました。

北部タイ料理 山椒
タイ山椒「マクウェン」の風味が効いた牛肉の炒め煮

キティ・パーニットの魅力とは?

今回は4品に厳選しましたが、他にも興味深い料理がたくさんありました。チェンマイをはじめとするタイ北部は、タイ・ユアン族やタイ・ルー族、ビルマ系、中国雲南系、山岳民族(カレン族、モン族、リス族など)など、多様な民族が交わる食の宝庫です。

キティ・パーニットでは、それら多様なルーツを持つ料理を現代的に再構築した料理が揃っており、選ぶ楽しさにも溢れています。

雰囲気・ロケーションともに抜群で、チェンマイを訪れたらぜひ立ち寄りたい北部タイ料理レストランです。

キティ・パーニット
タイ北部の民族料理を再構築した料理が素晴らしかった

キティ・パーニットの基本情報

キティ・パーニット

Kiti Panit (กิติพาณิชย์)
住所:19 Tha Phae Road, Chiang Mai, 50100 Thailand
営業時間:ランチ11:30〜15:00 ディナー17:00〜22:00
定休日:火曜日
アクセス:チェンマイ国際空港より車で約15分
公式サイトhttps://www.kitipanit.com

キティ・パーニットの地図

参考サイト

The Cloud(https://readthecloud.co/kitipanit-store-kiti-panit-restaurant-chiang-mai/

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