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バンコクのMRTクイーンシリキット・コンベンションセンター駅そばに、アユタヤ時代の宮廷料理人「マリー・ギマール」の名を冠したレストランがあります。現代ではほとんど口にする機会のない古典タイ料理を、モダンで洗練された空間で提供するマリーギマール・レストランは、タイ料理の歴史をひもとく知的な食体験の場です。タイ料理に一通り親しんだ方に、ぜひ訪れてほしい一軒です。
バンコク・スクンビットエリアのホテルや観光スポットについては、バンコク・スクンビット エリアガイドもあわせてご覧ください。
モダンな古典タイ料理のお店 マリーギマール レストラン
ウィンダムバンコク28階に構えるこのレストランは、2021年のオープン以来、タイ人のファミリーや美食家たちに愛されてきました。
古典タイ料理とはいえ、インテリアも料理の盛り付けも現代的で洗練されており、伝統料理店にありがちな重厚さとは無縁です。
シノ・ポルトギースのデザインで統一されたシックな空間で、今ではほとんど目にしない料理の数々と向き合うひとときは、タイ文化の奥行きを感じさせてくれます。

マリーギマール レストラン への行き方
マリーギマール レストラン は、アソーク交差点に近いMRTクイーンシリキット・コンベンション・センター駅のそばです。「ウィンダム バンコク クイーン コンベンション センター(Wyndham Bangkok Queen Convention Center)」というホテルの28階にあります。
ホテルはMRTシリキット・コンベンションセンター駅の4番出口から徒歩2分。モダンな高層ホテルがすぐに見つかるでしょう。
ホテルのロビーからエレベーターに乗って28階へ。エレベーターを降りると、お洒落な雰囲気のエレベーターホールに降り立ちます。

高層階の眺めのよいレストラン
クラシックモダンなインテリアの明るい店内はとてもお洒落。西洋風と中華風がミックスした「シノ・ポルトギース」スタイルのデザインなのだそうです。

高層階なので、窓からはバンコクの町並みが一望できます。古典的なタイ料理のレストランなのに、現代的で明るい雰囲気なのは、窓の外に広がるバンコクの都会的な眺望も一因かもしれません。
私が食事に行ったときは、かなり前に予約していたにもかかわらず、窓際の席はすでに予約でいっぱい。ゲストのほとんどがタイ人のファミリーやカップルでした。

さらに、屋外には広いテラスもあって、ルーフトップバーさながらです。テラスでは食事はできないようでしたが、食事の前にちょっとテラスを散歩してみただけで、爽快な気分になりました。

初めて食べる珍しい古典タイ料理を堪能
マリーギマールでは、現代ではあまり見かけなくなった、古典的なタイ料理を提供しています。私はタイに20年近く住んでいて、タイ料理も比較的よく食べますが、それでも聞いたことがないような料理ばかりした。今回は、デザートも含めて5品を注文しました。
「チョーマリ(ช่อมะลิ)」はジャスミンの花をかたどった美しい前菜。甘く煮詰めた蟹の具が入っています。生の唐辛子と一緒に食べると、具の甘味と唐辛子の爽やかな辛さが融合して、絶妙な味わいとなります。

「ケーンラウェーン(แกงระแวง)」は、タイ料理のパネーンカレーとグリーンカレーをミックスしたような珍しいカレーです。ジャワ料理がベースになっていて、タイ南部でも食べられているようです。

「カノムチーン・ナームプリック(ขนมจีนน้ำพริก)」は、そうめんに似た米粉の発酵麺にココナツミルクの濃厚なソースをかけていただきます。こぶみかんやライムの酸味がアクセント。

「トーン(โต่ง)」は、タイ東北地方に古くから伝わるラーオ族のヤム(スパイシーサラダ)です。カピ(エビ味噌)風味のタレが特徴です。

「チェーンマー(แชงมา)」は、米粉でできた2種類のお団子をミックスしたタイ菓子。お団子は、1つは「プラークリム(ปลากริม)」という小魚の形、もう一つは「カメの卵(ไข่เต่า)」の形をしています。それぞれ甘いソースと塩辛いソースを添える別のお菓子でしたが、ミックスして食べるようになったそうです。

どの料理も珍しいだけでなく、素材や調味料を吟味して調理してあり、現代の人々にも美味しく食べやすいよう、味付けも一工夫されています。写真映えする美しい盛り付けも楽しめます。
一般的なタイ料理を一通り食べたことがあって、もう少し変わった料理も食べてみたいと思っている方にぴったりのお店なのではないでしょうか。

アユタヤ時代の宮廷料理人マリーギマールとは?
ところで、「マリー・ギマール」という名前を聞いてピンときた方は、おそらくタイの歴史やタイ料理にとても詳しい方だと思います。
マリー・ギマールとは、アユタヤ時代に実在した日本人とベンガル人とポルトガル人の混血女性の名前です。マリーの両親はカトリック教徒でしたが、江戸幕府のキリシタン弾圧を逃れシャム(現在のタイ)に移住。
シャムの首都であるアユタヤには、日本から逃亡したカトリック教徒もたくさん住んでいたようです。

マリーの夫は、ギリシャ出身のコンスタンティン・フォールコン。アユタヤ時代にシャムに移住し、シャム政府の大蔵局の高官に登用されました。
ところが、野心家であったフォールコンは、シャム政府に対する策略がばれて処刑されてしまいます。
マリーも2年間監禁され、釈放された後は、お菓子を作って王宮に届ける仕事をしていましたが、アユタヤ王宮の料理人頭として出世し、「ターオトーンキープマー(ท้าวทองกีบม้า)」という官位を授けられます。

ポルトガルのお菓子をアレンジして彼女が作った様々なお菓子は、タイの伝統菓子として、現代にも受け継がれています。
2018年、タイではアユタヤ時代を舞台にした歴史ドラマ「ブッペーサンニワート」が大ヒット。アユタヤ時代への懐古趣味が、ちょっとした社会現象となるほどでした。ドラマには、マリー・ギマールもちゃんと登場していたんですよ。

タイ中部のロッブリーには、かつてマリー・ギマールとフォールコンが暮らした邸宅跡が史跡として残っています。もし興味があれば、ロッブリー訪問記もぜひ読んでみてくださいね。
マリーギマール レストラン の基本情報

Marie Guimar Restaurant
住所:388 Wyndham Bangkok Queen Convention Center 28th Floor, Soi Rim Khlong Phai Singto, Khlong Toey, Khlong Toey, Bangkok 10110 Thailand
営業時間:11:00〜22:00
アクセス:MRTクイーンシリキット・コンベンションセンター駅より徒歩2分
公式サイト:https://www.marieguimarbkk.com/home
ウィンダム・バンコク・クイーン・コンベンション・センターの宿泊情報
※料金・条件は各予約サイトにてご確認ください。
マリーギマール レストランの地図
参考文献 チャーンウィット・カセートシリ編 (吉川利治編訳) 2007 Discovering Ayutthaya (日本語版). タイ国トヨタ財団・人文社会科学教科書振興財団. Bangkok Biz News (2021, Nov. 4). อาหาร ตำรับไทยโบราณ ที่ ‘มารี กีมาร์’ MARIE GUIMAR. retrieved from https://www.bangkokbiznews.com/lifestyle/970003 (2022, Oct. 25)
タイランド画報 (ThailandGaho) 
