SAMRUB SAMRUB THAI (サムラップサムラップタイ):学べるタイ料理レストラン

SAMRUB SAMRUB THAI

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予約の取れないシェフズテーブル SAMRUB SAMRUB THAI

SAMRUB SAMRUB THAI (サムラップサムラップタイ)は、プリンシェフ率いるタイ料理のシェフズテーブルのお店です。2022年11月にチャルンクルン通りからサラデーンに移転したばかりです。

SAMRUB SAMRUB THAI
2022年11月にサラデーンに移転

プリンシェフは、以前バンコクのミシュランガイドで1つ星を獲得した「Nahm(ナーム)」というタイ料理レストランの料理長を務めていました。

2019年末、たった8人しか座れない小さなおまかせスタイルのシェフズテーブル「SAMRUB FOR THAI」をオープン。まもなく、予約の取れない大人気レストランとして一躍有名になりました。

SAMRUB SAMRUB THAI
オープンキッチンのシェフズテーブル

SAMRUB SAMRUB THAIでは、一般的に知られるタイ料理ではなく、現在のタイ料理の源泉ともいえる、古典メニューや地方の民族料理をベースにしたディープなタイ料理が、洗練した雰囲気で楽しめます。

店名の「SAMRUB SAMRUB THAI (สำรับสำหรับไทย)」はタイ語ですが、直訳すると「Samrub(食膳)for Thai」という意味です。

SAMRUB SAMRUB THAI
ディープなタイ料理を洗練されたスタイルで

タイの食文化をデザインするもう一人の立役者

「SAMRUB SAMRUB THAI」の店内に入ると、12人掛けの大きなキッチンカウンターがあり、目の前で調理する様子を見ることができます。食事をしながら、料理の調理方法や食材についても丁寧に説明してくれて、気軽にシェフやスタッフと会話をすることができます。

このレストランのコンセプトを考えたのは、プリンシェフの奥様であるミントさんです。彼女はもともとサービスデザイン研究家としてキャリアを積んだ方です。彼女が専門とする「タイの社会と食文化のサステナブルな開発」という視点から、現代の人々が忘れ去ってしまった、古来のタイの食文化を伝承することをレストランのコンセプトとしているのだそうです。

プリンシェフ
料理の説明をしてくれるプリンシェフと奥様のミントさん

そのため、料理のメニューは、現代のタイ人にとっても珍しい、マニアックな料理がずらりと並びます。私自身も、初めてメニューを見た時は、聞いたことのない料理ばかりで、ちょっと焦ったくらいでした。

その後、お店で教えてもらったことを調べ直してみると、今まで知らなかった様々な郷土料理を発見できて、とてもワクワクしました。「SAMRUB SAMRUB THAI」は、まるでタイの料理文化を体験的に学習できるクラスルームのようにも感じられます。

ナムプリック ラワ族
タイ北部の少数民族の珍しい料理が極上の一品に

2023年3月のテーマはタイ北部の郷土料理

さて、私が初めてSAMRUB SAMRUB THAIを訪れた時の様子をご紹介しましょう。すでに予約をとっていた知人のグループに飛び入り参加させていただくという、非常にラッキーな機会に恵まれました。

(まともに予約を取ろうと思ったら、絶対に無理だとはじめから諦めていたので、自分で予約をしたことはなく、予約方法については説明できないので、ご容赦ください)

2023年3月訪問時のテーマは「Happiness in northern summer」、タイ北部料理のコースでした。料金は、前菜・メイン・デザートを含め、全12品の1人3,900バーツ(税金・サービス料を含めて約18,000円)。メニューの内容は、2カ月に1回変更になるそうです。

SAMRUB SAMRUB THAI
2023年3月のメニューはタイ北部の郷土料理がテーマ

モダンな雰囲気のお店に入ると、すぐにオープンキッチンがあり、カウンターで調理や盛り付けをしている様子を間近に見ることができます。

キッチンには炭火のオーブンもあり、昔ながらの調理方法にもこだわっていることが感じられました。

テーブル席もありますが、SAMRUB SAMRUB THAIの良さを満喫できるのは、何といってもカウンター席でしょう。

SAMRUB SAMRUB THAI
調理の様子が見えるカウンター席がおすすめ

前菜:洗練されたシャン族のカオレムフュン

カウンター席に着くと、まず出てきたのが「エゴマのライスクラッカー」。軽くお酒も飲みながら、風味あるサクサクとしたクラッカーをいただきます。

エゴマ ライスクラッカー
軽い食感のエゴマのライスクラッカー

前菜は三種。まずは、「カオレムフュン(ข้าวแรมฟืน)」という米粉と豆粉で作ったお餅にトマトソースをかけたもの。タイ北部からミャンマーのシャン州一帯に住むシャン族(タイヤイ族)の料理だそうです。

カオレムフュン
シャン族の料理「カオレムフュン」

次に、同じくシャン族の料理をヒントにした鶏の手羽先フライ。

三品目は、「エップクン(แอ๊บกุ้ง)」という小エビの香草焼きと「カイパーム(ไข่ป่าม)」という卵焼き。カイパームは本来バナナの葉っぱで作った容器に入れて焼くそうですが、ここでは海老の頭を容器の代わりにしていました。

初めて食べた珍しい北部の料理でしたが、プリンシェフの腕前で、美味しくて洗練されていて、元の料理を知らなくても十分に楽しめました。

北部タイ料理
海老の頭に入ったカイパーム(左)とエップクン

メイン料理:驚きの水牛の生肉のラープ

メインのお料理は6種類。目の前で、調理スタッフの皆さんが、カリカリに揚げた大きな豚肉の塊や色とりどりのフルーツや野菜を盛り付けていて、何が出てくるのか、ワクワクしました。

タイ料理
カリカリに揚げた豚肉をサクサクと切る音が気になる

まず、一品目はお魚の燻製とたくさん北部のハーブを盛り付けたお料理。タイ北部の珍しい食材をトレイに入れて、ミントさんが一つ一つ説明してくれました。

SAMRUB SAMRUB THAI
メイン料理一品目は色とりどりのタイ北部の野菜と魚の燻製焼き

次に、「チアオ(เจี๋ยว)」と呼ばれるタイ北部のすましスープ。先程のカリカリの豚肉と「パックチアンダー(ผักเชียงดา;ホウライアオカズラ?)」という野菜が入って、絶妙なうまみです。

タイ北部料理 チアオ
カリカリに揚げた豚肉の入ったスープ「チアオ」

初めて食べるラワ族の椎茸のナムプリック。ラワ族とはタイ北部の先住民族のようです。付け合わせは、色鮮やかな野菜やフルーツに、グリルしたうなぎもついていました。

ナムプリックは、付け合わせの野菜にディップして食べる料理です。プリンシェフが、「どの付け合わせと一緒に食べるかによって、違った風味が楽しめますよ」と説明してくれました。

ナムプリック タイ北部料理
こちらも珍しいラワ族の椎茸ナムプリック

今回食べたコースの中で、唯一知っていた料理が「ケーンオーム(แกงอ่อม)」。ディルの入ったスパイシーなスープですが、ナンキョウ、コリアンダー、コブみかんの葉などのハーブもたっぷり入って、爽やかな味わいでした。

タイ北部料理 ケーンオーム
ディルの香りが印象的なスパイシースープ「ケーンオーム」

そして、この日のメイン料理の中で、一番印象的だった「ラープ・チン・クワーイ(生の水牛のひき肉を使ったラープ)」。なんと300年前から伝わる古典的なランナー料理なのだそうです。生肉や血の臭みを消すために、30種類以上のハーブやスパイスが使われています。

付け合わせのハーブの名前を教えてもらいましたが、記憶に残ったのは、高地で育つレモングラスの香りがするマウンテン・レモングラス(ตะไคร้ต้น)とナンキョウの実の漬物(ลูกข่าดอง)。次々と新しい食材の名前が出てきて、タイ料理の奥深さをしみじみと実感しました。

ラープ 水牛肉
本日のハイライトともいえる一品、生の水牛肉のラープ

最後のメイン料理は、タイのわさびとも言われる独特の香りを持った「ラット・テイル・ラディッシュ(ผักขี้หูด)」と蟹肉の炒め物。この野菜も初めて食べる珍しいものでした。

ラット・テイル・ラディッシュは、イボイボしたサヤインゲンのような野菜

デザートの前に特製のオムレツ

メインの料理はボリュームたっぷりで、もうこれ以上お腹に入らないほど、満腹になりましたが、最後に一品、お店からのサービスで、特製のオムレツを作ってくれました。蟹肉の入った大きなオムレツですが、外がカリッとして中はふわふわの絶品。最近タイで流行りのカナビスの葉っぱの素揚げも添えられて、美味しくいただきました。

オムレツ カナビス
極上のかにオムレツはお店からのサービス

そして、最後のデザートは、焼きとうもろこしのアイスクリームと、2種類の伝統的なライスプディング。アイスクリームは、とうもろこしの甘みだけを活かした素朴な風味でした。

デザート タイ北部料理
最後はシンプルで素朴なデザートで締めます

SAMRUB SAMRUB THAIならではの良さ

今回食事をしてみて、改めてタイ北部の様々な食文化について学び、興味が湧いてきました。ただ美味しいだけでなく、学びや発見も得られる素晴らしいレストランだと思います。もう少し予約が取りやすければ、メニューが変わるごとに毎回通いたいくらいです。

SAMRUB SAMRUB THAI
タイ北部の食文化を体験しながら学ぶことができた

また、プリンシェフやミントさんをはじめ、料理をサービスしながら、ずっと料理の説明をしてくれたり、時にはジョークを交えながらフレンドリーに接してくれたスタッフの皆さんも印象的でした。

今では、美味しいレストランや予約の取れないレストランは、バンコクにもたくさんありますが、やはりSAMRUB SAMRUB THAIならではの良さというのがとてもはっきりしていて、人気の秘密がよく理解できました。

プリンシェフ
お酒をサービスしてくれるプリンシェフ

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SAMRUB SAMRUB THAI (サムラップ サムラップ タイ) の基本情報

SAMRUB SAMRUB THAI
SAMRUB SAMRUB THAI
住所:39/11 Yommarat Alley, Silom, Bang Rak Bangkok, Thailand 10500
営業時間:①17:30〜19:45、②20:00〜22:30(日曜日・月曜日定休)
予約方法:お店のLINE(@samrubforthai)又はメール(samrubforthai@gmail.com)経由で予約
アクセス:BTSサラデーン駅、又はMRTシーロム駅から徒歩5分
公式サイトhttps://www.facebook.com/samrubsamrubthai/

SAMRUB SAMRUB THAI の地図

参考サイト
 
https://readthecloud.co/samrub-for-thai/

https://themomentum.co/interview-design-researcher-mint-jarukittikun/
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