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バンコクの創作インド料理レストラン ガガンアナンド
ガガンアナンド(Gaggan Anand)は、アジアNo.1レストランとして有名だった「ガガン」のシェフがオープンした新しいレストランです。
ガガンと同様、インド料理の素材を採り入れた創作料理のレストランで、2019年11月のオープンと同時に、またもやバンコクの話題のレストランになりました。
素材、調理方法、温度、食感など、全てが計算され尽くした完璧な創作料理を楽しめるだけでなく、カウンター越しに間近にキッチンで調理する様子を見たり、シェフズテーブルのように直接ガガン氏と会話しながら食事を頂くなど、楽しい演出が魅力です。
ガガンアナンドは、オーナーシェフであるインド人のガガン・アナンド氏のフルネームがそのまま店名になっています。
ガガン氏はインドの出身で、もともとバンコクの普通のインド料理レストランのコックとして働いていました。ところが、ちょうど2000年代に注目を浴びた分子ガストロノミーに魅了されます。インド料理を分子ガストロノミーに採り入れたいと考えるようになったのです。
最初はYouTubeなどを見て研究していたのですが、2009年に世界的に有名なスペインのミシュラン3つ星レストラン「エル・ブジ」のシェフで、分子ガストロノミーの第一人者である、フェラン・アドリア氏の下で働く機会を得ます。その後バンコクに戻り2010年に「ガガン」をオープンさせました。
予約の取れないアジアNo.1レストランが突然閉店
「ガガン」はたちまち話題のレストランとなり、2014年から4年連続でアジアベストレストラン50の第1位、世界ベストレストラン50でも第4位に選ばれました。2018年に登場したバンコクミシュランでは見事2つ星を獲得しました。
ガガンは世界中から脚光を浴びるバンコクの超有名レストランになってしまい、予約が全くとれなくなってしまいました。
実をいうと、私も何度も予約しようとしたのですが、一度もタイミングよく予約を取ることができず、さらには、2019年8月に突然クローズ。とうとう行けずに終わってしまい、幻のレストランとなってしまったのです。
その後しばらくして、2019年11月にガガン氏の新しいレストラン「ガガンアナンド」がオープンしたというニュースを聞きました。
行きたいと思っている内に2020年になり、新型コロナウイルスが流行しはじめます。外出自粛でしばらく外食もできず、レストランも休業。コロナが収束し規制が緩和されて、ガガンアナンドも営業を再開したことを知り、早速予約を入れました。
コロナ後は、外国人観光客はいないし、新しいレストランだから予約は取りやすいだろうと思ったのですが、甘かったようです。とはいえ「たったの1か月待ち」で予約がとれました!
エンターテイメント性の高いG’sスポット
ガガンアナンドは、スクンビット通りソイ31にある一軒家レストランです。予約の際、席がG’sスポット(G’s Spot)と指定されてありました。
何のことだか全然わからず、当日お店に行くと、お店は1階のG’sスポットと2階のGアリーナに分かれていることがわかりました。G’sスポットでは、オープンキッチンの周囲に14名分のカウンター席があり、Gアリーナには独立したテーブル席があるようでした。
お店に着いたのは予約時間の12時より少し前でしたが、すぐにレストランの中には入れてもらえず、店先にあるバーコーナーで冷たいパンダンリーフのお茶を出してもらって待っていました。
12時になるとようやくレストランの中に迎え入れられ、席に着きます。
店内は大音量のロックミュージックが鳴り響き、まるで夜のバーにでも来た感じでした。オープンキッチンにいる西洋人のソムリエが、カウンター越しにドリンクメニューを配り、一人ずつ丁寧かつフレンドリーに話しかけてくれました。
ドリンクを飲みながら、キッチンで料理の準備をする様子を眺めていると、12時20分ごろ、ようやく西洋人のソムリエやシェフによる自己紹介と料理のサービスについて説明が始まりました。
何だか食事に来たというよりも、料理ショーか何か見に来たみたいで、びっくりしてしまい、状況を把握するまでしばらく時間がかかりました。
しかも、細かく料理の説明をしてくれているのに、ネイティブの英語だったため、最初は半分くらいしか聞き取れず、自分の英語力に落ち込みそうでした。
でも、一品ずつ料理を出す度に、料理の逸話や歴史などをジョークも交えながら説明してくれ、途中からはガガン氏も登場してコーヒーを一人ずつ淹れてくれたり、気軽にゲストと会話したりしている内に、当日カウンターで食事をしていた14名が少しずつ打ち解けた雰囲気になってきて、一緒に料理ショーを楽しんでいるような一体感が生まれてきます。
いわゆるシェフズテーブルが、ライブ会場になったかのような、斬新で楽しい演出といえます。
遊び心たっぷりのガガンアナンドでの食事体験
ガガンアナンドの営業時間は、通常ディナータイムだけで、18品とか25品とかのものすごい数の料理で構成されるメニューなのですが、コロナ収束後にはなんと、週末限定で9品のランチメニューが登場しました。
料金もわずか2,000THB(約7,000円)とお手頃なので、こちらを試してみました。(注:2023年12月現在、ランチタイムは営業していません)
以前のガガンのメニューの名物といえば、絵文字メニューといって、絵文字で食材を示したものでした。ところが、ガガンアナンドでは、メニューがなく、代わりに、絵文字シールと紙と鉛筆がテーブルにセッティングされています。
なんと、出された料理を食べて、絵文字シールを紙に貼ったり、メモをしたりしながら、自分でメニュー表を作るという遊び心いっぱいの演出も加わりました。
出てきた料理9品は、メインの素材をベースに、自由奔放な発想で創造されたもので、インド料理のスパイスがほのかに薫りました。
スパイスが前面に出てくるインド料理ではなく、スパイスが他の食材と上手く調和しながら、料理全体を洗練させていて、隙のない完璧な料理でした。
調理方法、温度、食感、香りまで、全て計算尽くしです。
料理を出すタイミングで、室内の照明も暗くなったり明るくなったり。一番美味しく食べられるタイミングでゲストの前に料理をサービスするため、料理が出されると「写真を撮るのは10秒以内で」とか、「一口で一気に食べて」とか、キッチンから食べ方の作法まで指導が入ります。
例えば、温泉卵にグリーンピースの温かいソースをかける料理では、ソースの温度で卵の状態が変化し、最もベストな食べ頃になるのだそうです。
さすが分子ガストロノミー!料理が科学されています。
一つ一つの料理の説明は歴史や文化にまで言及し、まるで学校で講義を聞いているみたいで、料理に対するこだわりや情熱が伝わってきました。
また、この日はガガン氏みずからお気に入りのコーヒーをサービスしてくれたのですが、ゲストからの質問でコーヒーのうんちく話が始まりました。有名なブルーマウンテンについては「あれはプロパガンダだ」とぴしゃり。
いろんな話を聞かせてくれて、気づけば食事が終わった時はもう2時半になっていました。
料理は1品1品が一口で食べれるサイズのため、9品のランチメニューは少し軽めで、普段少食の私でも、もう少し食べたいなと思ったほどでした。
旬の食材を使用するため、レストランのメニューは2か月毎に変わるそうなので、次回機会があれば、通常の18品のメニュー(5,000THB=約17,000円)も試してみたいです。(注:2020年当時の料金。2023年12月現在は12,000THB++に改定されています)
そして、きっとまたG’sスポットの席を予約すると思います。
ガガンアナンドの基本情報
GAGGAN ANAND
住所:68 Sukhumvit 31, Sukhumvit Rd, Klongton-Neu, Wattana, Bangkok, Thailand
営業時間:17:30〜21:00(木曜日から日曜日のみ営業)
アクセス:BTSアソーク駅又はプロンポン駅より徒歩15分(タクシーで5分)
予約方法:お店の公式サイトから。事前に全額(約14,000THB)をデポジットとして支払う必要があります
公式サイト: https://gaggananand.com
ガガンアナンドのマップ: