ジェーベン オデオン :バンコク中華街門の名物炒め麺

ジェーベン オデオン :バンコク中華街門の名物炒め麺

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中華街門のそばの老舗屋台 ジェーベン オデオン

ジェーベン オデオン は、中華街のオデオン広場のそばにある屋台です。母親から受け継いだ創業40年以上のお店を仕切るのはベンさんという年配の女性。タイ語では、ジェーベン(ベン姐さんという意味)と呼ばれています。

バンコク 中華街門
バンコクの中華街門

オデオン広場ときいて、ピンとこない人もいるかもしれません。でも、バンコクの中華街の入口にある中華街門があるロータリーといえば、すぐに分かる人も多いでしょう。中華街門が出来たのは、今からわずか23年前の1999年。ベンさんのお店もオデオン広場も、中華街門よりずっと古い歴史をもっているんです。

ちなみに、オデオン広場という名前は、1930年代にこの広場にあったオデオンという映画館にちなんでつけられたそうです。パリのオデオン座の名前を借りた小さなトタン屋根の映画館は、その後近代的な映画館に立て替えられましたが、1987年に取り壊され、今では平凡な商業ビルに変わってしまいました。

中華街 オデオン広場
以前オデオン映画館があった場所には商業ビル(中華街門の後ろの白いビル)が建っている

ピックアップトラックを改造した屋台

ベンさんの屋台は、オデオン広場から放射状に伸びる道路の一つ、チャルーンパーニット通り(ヤワラート通りソイ1)の入口にあります。すぐそばにセブンイレブンがあるのが目印です。

お店といっても、道端に停められたピックアップトラックを改造した屋台。車の荷台部分に料理の材料がずらりと並んでいます。周囲の歩道に簡単なテーブルと椅子がいくつか並べてあって、道ばたで食事をします。運がよければ、中華街門の景色が一番よく見える特等席に座ることもできるでしょう。

ジェーベン オデオン :バンコク中華街門の名物炒め麺
セブンイレブンの前にあるピックアップトラックを改造した屋台

ジェーベン オデオン 名物の炒め麺

ベンさんのお店は、タイ語で「アーハーン・タームサン(อาหารตามสั่ง)」と呼ばれる注文料理店です。メニューはいろいろありますが、一番有名なのは「クエイティアオ・パッ・ニーニャオ(ก๋วยเตี๋ยวผัดงี่เง่า)」という変わった名前のオリジナルの炒め麺(100B)。あまりにも有名なので、近所の人たちからは、「クエイティアオ・パッ・ニーニャオのお店」と呼ばれるほどです。

ジェーベン オデオン メニュー
メニューはいろいろ、一律100バーツ

「クエイティアオ(米麺)・パッ(炒める)」は「炒めた米麺」という意味ですが、「ニーニャオ(งี่เง่า)」は「ばかな」や「聞き分けのない」という意味で、あまり料理の名前らしくありません。

実は、ベンさんのお孫さんが小さいころ、好き嫌いが激しかったため、何とか食べさせようと、いろんな食材を適当に盛り込んで出来上がったのがこの料理なんだそうです。聞き分けのない孫のための炒め麺という意味なのでしょう。

クエイティアオ パット ニーニャオ
大人気のオリジナル炒め麺は具だくさん

コロナでプラスチック皿に変更

朝10時の開店したばかりの時間にお店に行ったら、まだお客さんがいなかったので、中華街門の前の眺めのいい席を案内してくれました。お店では、ベンさんがガスコンロの前で調理を担当し、若い男性が一人手伝っていました。

しばらく待っていると、お待ちかねのオリジナルの炒め麺が登場。以前は金属製の鍋のようなお皿でサービスしていましたが、現在はコロナの関係で、使い捨てのプラスチック皿を使用しているとのこと。また、お水のサービスもストップしているので、「お水はセブンイレブンで買ってください」と言われました。

鉄鍋
コロナ前には金属製の鍋のようなお皿で料理を出していた

名物の「クエイティアオ・パッ・ニーニャオ」を試食

クエイティアオ・パッ・ニーニャオは、一見、「クエイティアオ・クア・カイ(ก๋วยเตี๋ยวคั่วไก่)」という、鶏肉やイカの入った中華風炒め麺に似ていますが、入っている具材が全く違います。

トートマンプラー(魚のつみれ)がごろりと入り、海老、豚肉、卵など、たくさんの具が入っていて、甘辛い特製のタレが添えられます。

タレを熱々の焼きそばにかけて、最初の一口。美味しい!海老はプリプリで新鮮だし、豚肉も柔らかく仕込んでありました。炎天下の歩道で、熱々の焼きそばなのに、何故か食が進みます。

ジェーベン オデオン :バンコク中華街門の名物炒め麺
名物のクエイティアオ・パッ・ニーニャオは、具だくさんで麺が見えないほど

コロナを乗り越えたバンコクの飲食店

2020年から2021年にかけて、コロナの感染防止対策で、バンコクの飲食店は長らく営業ができませんでした。特に個人経営の小さなお店には、大きな打撃だったでしょう。現在は規制が緩和されて、多くのお店が再開していますが、残念ながら閉業してしまったお店もあります。

食事をしていると、ベンさんが「以前は日本の人もよく食べに来てくれてたんだよ」と、話しかけてくれました。きっとコロナ禍は大変だったんだろうなと想像しつつ、早くたくさんのお客さんが戻ってきてほしいと心から思いました。

ジェーベン オデオン :バンコク中華街門の名物炒め麺
中華街門を見ながらの屋台飯は格別

ジェーベン オデオン の基本情報

ジェーベン オデオン
ก๋วยเตี๋ยวผัดงี่เง่า เจ๊เบญโอเดียน

住所:In front of 7-11, Soi 1 Yaowarat Road, Odeon Circle, Bangkok, Thailand
営業時間:9:00〜16:00(月曜日定休)
アクセス:MRTフアランポーン駅より徒歩7分

ジェーベン オデオン のマップ

参考文献

Van Roy, E. 2007. Sampheng: Bangkok's Chinatown Inside Out. Bangkok: Chinese Studies Center, Institute of Asian Studies, Chulalongkorn University.

Chada Triamvithaya. 2016. "chuan chim nai yaowarat [ชวนชิมในยาวราช]". in Supang Chanthavanich eds. Sampheng: History of Bangkok's Chinatown [สำเพ็ง:ประวัติศาสตร์ชุมชนชาวจีนในกรุงเทพฯ]. Bangkok: Chulalongkorn University Press.
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