NUSARA (ヌサラー): 創作タイ料理レストラン

NUSARA

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セレブなタイ人シェフの新店 NUSARA (ヌサラー)

NUSARA (ヌサラー)は、ワットポーのそばに、2020年にオープンした創作タイ料理レストランです。バンコクのミシュランガイドで1つ星を獲得した「LE DU(ルドゥ)」のセレブシェフ、“トン”ことティティット氏による新しいコンセプトのレストランです。

レストランがあるのは、観光地として有名なワットポーそばの歴史ある「ターティアン市場」。200年前に建てられた古い市場の建物を、お洒落にリノベした小さなレストランです。

ターティアン市場
ワットポーのそばのターティアン市場
NUSARA
古い市場の建物をリノベした小さなレストラン

オープン当初はコロナ流行中で、なかなか行くチャンスがなかったのですが、気づいたら、あっという間に注目の大人気レストランになっていました。予約はもちろん必須で、場合によっては2ヶ月ほど待たなければいけないほどです。

トンシェフのプロフィールは「LE DU」のページで詳しく紹介しています。

ルドゥ バンコク ルドゥ バンコク (LE DU Restaurant)

トンシェフの亡き祖母へのオマージュ

新しいお店「NUSARA(ヌサラー)」は、お店の経営者であるシェフの亡くなったお祖母様の名前です。シェフの料理は、祖母や母が作ってくれた家庭的なタイ料理にインスピレーションを受けているそうです。

そんなお祖母様へのオマージュとしてオープンしたNUSARAでは、100年以上前に在位したタイ国王ラーマ5世時代の古典レシピのタイ料理を、シェフの創造力によって、現代的で洗練された料理として提供しています。

NUSARA
昔ながらのタイ料理をベースにした創作料理

テイスティングメニューのみで全額前払い

私が2023年1月に初めて訪問した時、NUSARAのメニューは、3,990バーツのテイスティングメニュー(税サ込みで日本円にすると約19,000円)のみを提供していました。

事前にお店のウェブサイト経由で予約し、全額クレジットカードで前払い。最近バンコクの人気レストランは、デポジット(一部前払い)が一般的ですが、全額前払いはかなり強気だなぁと感じました。

NUSARA
予約がなかなか取れないこともある人気レストラン

ただ、突然キャンセルされてしまうと、仕入れた食材なども全て無駄になってしまうし、お店としてもこうした対策が必要なのでしょう。

メニューは、前菜6品とメイン5品。前菜は一品ずつサービスされますが、メインは一度に全てサービスされ、シェアしながら食べるタイ風のスタイルです。

最後のデザートは、メニューには1品しか載っていないのですが、実際には3品という盛り沢山な構成でした。

NUSARA メニュー
ヌサラーのテイスティングメニュー

古い市場に隠れたお洒落なレストラン

ターティアン市場は、世界中から観光客が集まる地域にあるとは信じられないほど、ローカルな生鮮市場です。お店の1階は「メーライ(Mayrai)」という名前のバーになっていて、バーの奥の階段を上ってレストランへ。すると、ローカル市場にいるとは思えない、素敵なレストランの空間が広がります。

Mayrai
一階にあるバー「Mayrai」

席に案内されると、まずはアミューズがサービスされます。パンシップとカノムクロックというタイの昔ながらのスナックをアレンジした2品です。パンシップは、揚げてカリカリになったスナックは今もよく売っていますが、ここでは昔風の蒸したパンシップをアレンジしていました。

タイ料理 前菜
アミューズはタイのスナック「蒸しパンシップ」と「カノムクロック」をアレンジ

昔ながらのタイ料理が進化した前菜

前菜6品が続きますが、特に印象的だったのがパークモーをアレンジした一品。パークモーとは、布で覆った鍋で湯を沸かし、布の上に米粉やタピオカ粉を水で溶いた生地を薄く伸ばして白い皮を作り、皮で具を包んだタイのスナックです。

なんとNUSARAでは、薄造りのイカを白いパークモーの皮に見立てて、具にはチェンマイ産トマトなども使用。薄い皮から鮮やかな赤色が透けて見えるのです。

他にも、ヤム、カオマン、トムカーなど、お馴染みのタイ料理が続きますが、どの料理も原型を感じさせないような思い切ったアレンジが施され、上品な味に仕上がっていました。

タイ料理 ヌサラー
薄くスライスしたイカを米粉で作るパークモーに見立てた前菜(右)
タイ料理 トムカー
チキンではなく魚(プラーサリット)入りのトムカー

古風なタイ料理にこだわるメイン料理

次にメイン料理。並んだのはブンバイというタイの古風なカレー、昔ながらの胡瓜のタイ風ピクルスが添えられます。カレーは少し辛かったですが、次にやし砂糖で煮込んだイカのサーティアを食べたら、口の中が落ち着きました。

その後、クミンの葉(バイ・イーラー)で炒めた牛肉、ライムのタイ風漬物で風味をつけたスープが続きます。タイ在住歴の長い私も聞いたことがないような調理法がたくさんあり、タイ料理の奥深さを感じました。

タイ料理 ヌサラー
「ブンバイ」「サーティア」など珍しい古典タイ料理が続く
タイ料理 スープ
メイン料理の最後はライムの漬物(マナオドーン)で風味をつけたスープでさっぱりと

中央には、ピーナッツのナムプリックとたっぷりの野菜も添えられていました。どの料理も、タイ産の材料にこだわっていて、サービスしてくれるスタッフの方が産地も説明してくれます。

また、通常のタイ料理は、調味料が主役になってしまうほど濃い味付けの印象がありますが、ヌサラーでは食材そのものの良さを邪魔しないよう、絶妙なバランスで味付けしてあったのも印象的でした。

ナムプリック ピーナッツ
新鮮な野菜と一緒にいただくピーナッツのナムプリック

楽しい演出とサービス

お腹がいっぱいになったところで、楽しいデザートタイム。まずは、昔の屋台風のアイスキャンディーを目の前で作ってくれて興奮。

さらに、サゴとココナツのデザートは、材料のサゴ椰子の幹やココナツを目の前に飾って、食材の由来についても説明してくれました。

アイスキャンディー タイ
昔懐かしいアイスキャンディー製造機

今回は友人と二人で食事をしたのですが、一品ごとに、二人の黒服の男性がシンクロした動きで料理を運んでくれて、ちょっと面白かったです。

ヌサラーの魅力は、料理の創造性だけでなく、盛り付けやサービスなど、プレゼンテーションもとても楽しめる点でしょう。

サゴ椰子 ココナツ
サゴ椰子とココナツのデザートは素材の説明もあり

ディナー帰りの嬉しいサプライズ

食事が終わってお店を出ると、なんとお店の出口でバスケットを持ったお店の人が待っていて、NUSARA特製のチョコレートまで渡してくれるというサービスも!

さらに、もうすっかり日が暮れたお店の路地からは、ライトアップされたワットポーの豪華な夜景が見えるではないですか!

最後の最後まで、ハッピーな気持ちで食事を楽しむことができました。特別な日の食事にとっておきたくなるような、本当に素晴らしいレストランでした。

ワットポー 夜景
ディナーの後は美しいワットポーの夜景に感動

NUSARA  (ヌサラー) の基本情報

NUSARA
NUSARA
住所:22 Maha Rat Rd, Phra Borom Maha Ratchawang, Phra Nakhon, Bangkok 10200 Thailand
営業時間:17:00〜21:00(火曜日定休)
予約方法:公式サイトから予約(料金は全額前払い)
ドレスコード:スマートカジュアル
アクセス:MRTサナームチャイ駅から徒歩7分
公式サイトhttps://www.nusarabkk.com
https://www.facebook.com/nusarabkk/

ヌサラー (NUSARA) の地図

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