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ナーンのコーヒーの概要
ナーン県にあるマニープルーク村は、知る人ぞ知るコーヒーの産地です。
マニープルーク村の人々は、以前はハーブなどの農作物を栽培して細々と生計を立てていましたが、2008年ごろから、オーガニック・コーヒー栽培による村興しプロジェクトが開始され、現在は数々の賞を受賞する上質なコーヒーの産地として大成功を収めています。

先日、ナーン・マニープルーク村のコーヒー栽培の指導者的な立場であるモン族の一家を訪問し、コーヒー栽培を始めたきっかけやコーヒーの栽培から焙煎までのプロセス、コーヒーのテイスティングなど、さまざまな体験をさせていただきました。

ナーン・マニープルーク村の位置

マニープルーク村は、タイ北部地方のナーン県北部にあるドイ・プー・カー山脈にあります。
標高1000mを超えるマニープルーク村には、山岳民族であるモン(Hmong)族やタイルー(Tai Lue)族が暮らしています。
バンコクからは、国内線でナーン空港に行き、空港から車で片道2時間ほどで行くことができます。
ナーン県マニープルーク村のコーヒー農場

ナーンのマニープルーク村のコーヒー農園は深い森林の中にあります。
大木の木陰は日差しを遮ってくれるため、コーヒー栽培にとって理想的な環境になるのだそうです。
北部タイでの森林伐採が問題となっている昨今、森林で暮らす山岳民族であるモン族にとって、コーヒー栽培は森の環境を守りながら、高い収益を得ることもできる理想的な農業のようです。

ナーン県マニープルーク村のモン族の暮らし

マニープルーク村で最初に訪問したのは、村でコーヒー栽培を最初に始めた指導者的な立場のモン族ファミリーのご両親の自宅です。
こちらのご主人がコーヒーの産地として有名なチェンマイに出向いて、コーヒー生産のノウハウを学び、マニープルーク村のコーヒー栽培の創始者となったのだそうです。
ご主人から、この地域に住み始めてコーヒー栽培を始めることになるまでの経緯をお話しいただきました。
今でこそ、ナーンのコーヒー栽培の第一人者として成功しているものの、かつて中国南部から移民し、タイ政府と戦っていた時代もあり、さまざまな苦労をされたそうです。
自宅の庭先では、原始的な手法で火をおこし、焚き火でコーヒー豆を焙煎する様子を見学させていただきました。

ご自宅の中も案内していただきました。
昔ながらの素朴なモン族のライフスタイルが珍しく、特に気になったのが、壁に貼り付けた3本の鶏の羽。
毎年、新年に鶏を捌いて、その年の吉兆を占う儀式「スカン」の後、その鶏の羽を壁に貼り付けているのだそうです。

目にするもの全てが興味深く、今まで知らなかったモン族の暮らしを真近に見ることができた貴重な経験でした。

ナーンで生産された希少なゲイシャコーヒー

次は息子さんであるウィチャイさんが経営するコーヒーショップ「コーヒー・ド・モン(Coffee de Hmong)」に立ち寄りました。
ナーンの山々に囲まれたモダンなカフェです。
息子さんは、両親のコーヒー生産業を引き継ぎ、現代的なコーヒー焙煎を研究し、オリジナルのブランド「コーヒー・ド・モン」を立ち上げました。
コーヒー・ド・モンで最も有名なオリジナルコーヒーが「ゲイシャ」。
アラビカ種が突然変異してできた種類で、栽培が難しいため希少なコーヒーとして知られています。
ちなみに、ゲイシャとは日本の芸者ではなく、コーヒーの産地であるエチオピアのゲシャという地名に由来しているそうです。

ウィチャイさんはゲイシャコーヒーの栽培と焙煎で成功し、タイをはじめ東南アジアでさまざまな賞を受賞しています。
初めて味わったゲイシャコーヒーは、爽やかでフルーティーな香り、まるでお茶を飲んでいるような素晴らしい味わいでした。
コーヒー・ド・モンでは、他にもたくさんのオリジナル・ブレンドのコーヒーを生産して、20種類以上をテイスティングさせていただきましたが、やはりゲイシャが香りも味わいも非常に上品で個性的だと感じました。

お土産にゲイシャを100g(800バーツ)だけ購入。希少価値の高いコーヒーなので、お値段もそれなりにしますね。
ウィチャイさんからコーヒーの育て方や焙煎方法についても詳しく説明していただき、すっかりコーヒー通になった気分でお店を後にしました。
コーヒー・ド・モン(フェイスブック)
Coffee De Hmong
กาแฟเดอม้ง
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ナーンの絶景を見渡せる「プラーイファー・マニープルーク」でランチ

最後に、マニープルーク村にあるアウトドア宿泊施設「プラーイファー・マニープルーク」にランチに立ち寄りました。
ナーンの山々が見渡せる絶景テラスで、現地のモン族とタイルー族の郷土料理を特別に用意していただきました。
食後には、コーヒー・ド・モンのコーヒーも淹れてくれました。

今回はランチに立ち寄っただけでしたが、本来はキャンプ場やバンガローのある宿泊施設で、バンガローの中も見学させていただきました。
シンプルなバンガローですが、客室からもバルコニーからも素晴らしい景色が楽しめて、ある意味とても贅沢に過ごせそう。
季節によっては雲海も楽しめるようです
絶景を楽しみながら、美味しい食事とコーヒーをいただき、満ち足りた時間を過ごすことができました。

プラーイファー・マニープルーク(フェイスブック)
Plaifah Manipruek
ปลายฟ้ามณีพฤกษ์
グーグルマップ
バンコクでナーンのコーヒーが飲めるカフェ「スットリット」
ナーン旅行からバンコクに戻り、まだ旅行の余韻が冷めやらぬ頃、バンコクのサームヤーンにあるカフェ「スットリット(Sudrit)」に立ち寄りました。
ナーン・マニープルーク村のコーヒー農家&カフェ「コーヒー・ド・モン」の直営カフェです。

カフェに入ると、「コーヒー・ド・モン」のオリジナルのコーヒーがずらりと並んでいます。
もちろん、あの希少なゲイシャコーヒーもあって、コーヒー豆も販売しています。

豆を選んでアメリカンを注文、ドリップで軽く2杯分くらいをポットで出してくれます。
お店の人と「この前ナーンに行って来たよ」「マニープルーク村で〇〇さんに会ったよ」と会話が弾み、ナーンロスをちょっと癒すことができました。
またあのナーンの雄大な山々を眺めながら、コーヒーが飲みたいなぁ…。

スットリット(フェイスブック)
Sudrit
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