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パークハイアット バンコク宿泊記|プルンチットの都市型ラグジュアリーを体験

パークハイアット・バンコク・宿泊記

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バンコクを代表するラグジュアリーホテルのひとつ、パークハイアット バンコク。

プルンチット駅直結のセントラルエンバシー上層階に位置し、開業以来その洗練された建築と上質なサービスで高い評価を受けています。

実は私は、ホテル周辺の職場で10年以上働いているため、この建物の前を毎日通っています。館内のレストランやカフェを利用したこともあります。しかし宿泊したのは今回が初めてです。

パークハイアット・バンコク
パークハイアット・バンコクの洗練された建築

プルンチットを含むチットロムエリアの概要については、バンコク・チットロム&プルンチットガイドでまとめています。エリアの特徴を把握した上でお読みいただくと、このホテルの立地の意味がより伝わりやすいと思います。

私は普段、リゾート感のあるホテルや、その土地の文化や歴史をデザインに取り入れたホテルに惹かれることが多くあります。

そのため、これまでパークハイアット バンコクはどちらかといえば自分の好みとは少し異なるホテルだと思っていました。

それでも今回宿泊してみようと思ったのは、このホテルがプルンチットという街を代表するランドマークだからです。

パークハイアット・バンコク
プルンチットエリアを代表するランドマーク

結論から言えば、パークハイアット バンコクは都市型ラグジュアリーホテルとして極めて完成度の高いホテルでした。

一方で、私自身が好むリゾート感やタイの伝統文化とは異なる世界観を持つホテルでもありました。

今回は客室、館内施設、レストラン、朝食まで実際に体験した率直な感想をご紹介します。

プルンチットを象徴するラグジュアリーホテル

セントラルエンバシーはかつての英国大使館敷地に建てられた超高級複合施設です。

ホテルはこのショッピングモールと一体化しており、BTSプルンチット駅からもアクセスしやすく、ショッピングや食事に困ることはありません。

周辺には各国大使館や外資系企業が多く入居するオフィスビル、高級ホテルが集まり、バンコクでも特に洗練されたエリアとして知られています。

サイアムエリアが観光客や若者で賑やかな街であるのと比べると、人の流れも穏やかで、落ち着いた雰囲気があります。

セントラルエンバシーの中を歩いてチットロム方面へ歩くこともできるので、快適に街歩きも楽しめます。

セントラルエンバシー
高級ショッピングモール「セントラルエンバシー」に直結

建築とインテリアが語るもの

パークハイアットバンコクを初めて訪れた時驚いたのは、これまでの建築物の常識を覆すような奇抜なデザインと、装飾を徹底的に削ぎ落としたシンプルな内装でした。

セントラルエンバシーとパークハイアット バンコクは、英国の建築事務所AL_A(Amanda Levete Architects)の設計により、商業施設とホテルが一体となった複合施設として開発されました。外壁を覆う無数のアルミパネルは、時間帯や光の角度によって表情を変え、空と都市景観を映し込みます。

ホテル部分の構造は「ねじれたコイル」あるいは「8の字」と表現されることがあります。単純な高層ビルとは異なる独自の造形が、セントラルエンバシーの上層部で静かな存在感を放っています。

パークハイアット・バンコク
ねじれたような建築デザイン

コンセプトは「都市の上空に浮かぶ静かな隠れ家」。賑やかな都心の上に、別の時間が流れる空間を設けるという逆説的な設計です。館内に一歩入ると確かにその感覚があります。バンコクの喧騒が、ふっと遠ざかります。

インテリアはYabu Pushelbergが担当しました。タイの伝統様式をそのまま持ち込むのではなく、タイ文化を現代の文脈に抽象化することを選んでいます。その結果生まれたのが、静謐でミニマルな客室です。

土地の物語を語る装飾は意図的に排除され、代わりに素材と空間の質感が前に出ます。「タイらしさ」を求める旅行者には物足りないかもしれませんが、それはコンセプト上の「正解」でもあります。

建築・インテリア・アートが一体となって構築された世界観は、確かに一貫しています。この一貫性こそが、パークハイアット バンコクを単なる高級ホテルから「思想を持つホテル」に引き上げているのだと思います。

パークハイアット・バンコク
ミニマルで美しいインテリア

チェックインとフロント

1階の到着ロビーからエレベーターで10階のフロントレセプションに上がります。1階から6階がショッピングモールになっているので、ホテルのエレベーターでから直接モールにアクセスすることもできます。

フロントデスクはスタンディングスタイル。背面に飾られた美しいアート作品が印象的です。館内のあちこちにさりげなくアート作品が置かれていますが、無駄な装飾を排したミニマルなデザインのなかで、まるでギャラリーの中にいるような感覚です。

パークハイアット・バンコク
1階の到着ロビー
パークハイアット・バンコク ロビー
ギャラリーのような10階のロビーでチェックイン

一方で、南国リゾートの開放感やタイらしい伝統的な要素はあまり前面に出てきません。率直に言えば、このホテルは東京や香港、シンガポールにあっても違和感がないホテルです。

チェックインが終わるとルームキーが渡され、自分で部屋に行くようにと言われました。ラグジュアリーホテルとしてはやや素っ気ないと感じましたが、後から考えると、必要以上に立ち入らないというホテルの姿勢の表れだったのかもしれません。

デラックスキングルーム宿泊レビュー

今回宿泊したのはデラックスキングルームです。

ちょうどコーナーにあたる客室で、窓のカーテンを開くとワイヤレス通りの北側の景色がパノラミックに見えます。

ただ、ちょうど目の前では再開発工事が進行中で、以前の緑あふれる景観を知る私にとっては、少し悲しい気分になりました(詳しくは後述します)。

パークハイアット・バンコク 客室
デラックス・キングルームに宿泊

客室は、落ち着いたトーンでまとめられています。家具や内装には上質な素材が使われていますが、それを過剰に主張することはありません。タイの寺院のモノクロ写真が飾られるなど、タイらしさのプレゼンテーションもありますが、非常に控えめです。電源周りなど部屋の施設も機能的で快適でした。

パークハイアット・バンコク 客室
落ち着いたトーンのインテリア

バスルームはすっきりとまとまった設えで、バスタブのそばにはホテルの象徴とも言えるハスの花の彫刻が柔らかな印象を添えていました。

パークハイアット・バンコク バスルーム
蓮花の彫刻が美しいバスルーム

部屋に入ってしばらくすると、ウェルカムサービスとしてココナッツウォーターと特製のストロベリーフィナンシェの差し入れが運ばれてきました。盛りだくさんではなく、上質なものを一品だけというところに潔さが感じられます。

パークハイアット・バンコク ウェルカムサービス
上質なフィナンシェを一品だけ

サービスは最小限でありながら、決して手抜きではない。その姿勢がホテル全体に貫かれているように感じました。

ルームインスペクションで見えた客室設計の魅力

今回の滞在では宿泊した客室に加え、別のタイプの客室をいくつか見学させてもらいました。

見学したのは以下の4室です。

  • Ambassador Room
  • Park Executive Room
  • Deluxe King with Bathroom View
  • Standard King Room
パークハイアット・バンコク アンバサダールーム
パークハイアット・バンコク アンバサダールーム

興味深かったのは、同じカテゴリーでも客室のレイアウトが必ずしも同じではないことです。建物の構造上、部屋ごとに形状や窓の配置が異なり、それぞれに個性があります。

例えば、今回宿泊したデラックスキングルームも、3タイプ見学しましたが、全て構造が異なり、バスルームから外の景色が見えるタイプもありました。あらかじめ希望を伝えて好みの部屋を予約することもできるそうです。

一般的な大型ホテルでは客室が均一化されていることも多いのですが、パークハイアットでは空間そのものに変化があり、客室選びの楽しさにもつながると思います。

パークハイアット・バンコク デラックス・キング
同じカテゴリーの客室でもレイアウトはさまざま

現在のパークビューについて

今回見学した客室では、パークビューとシティービューの両方を確認しました。通常であれば、迷わずパークビューをおすすめしていたと思いますが、現在は状況が変わっています。

セントラルエンバシーに隣接する旧英国大使館跡地では開発工事が進んでおり、かつて存在した広大な緑地は姿を消しています。

現在の景観は広い更地が中心となっており、以前ほどの魅力は感じられません。そのため現時点ではシティービューの方が満足度が高いと感じる方も多いのではないでしょうか。

さらに将来的にはセントラルエンバシー別館計画によって景観が大きく変わる可能性があります。客室選びの際には、その点も考慮した方が良いと思います。

バンコク・ワイヤレス通り
再開発中の元タイ英国大使館の敷地(2026年6月撮影)

窓の外に広がる、喪失の風景

ここで少し個人的な話をさせてください。

かつてワイヤレス通りには、バンコクの都心とは思えないほど広大な緑地が広がっていました。英国大使館を囲む大きな木々は、この通りを歩く人々にとっても、目に見えない潤いでした。私にはその緑の記憶があります。

セントラルエンバシーの建設とともに英国大使館が移転し、あの緑地は都市開発の文脈に飲み込まれました。今、窓の外に広がるのは工事の囲いと、整地された空白です。近い将来、別のセントラルエンバシー棟が建つ予定だといいます。

都市は更新され続けます。変化は必ずしも悪ではありませんが、失われたものへの感覚は残ります。ホテルの客室からその変化を静かに眺めながら、バンコクという街の時間の速さをあらためて感じました。

タイ英国大使館
緑あふれるかつてのタイ英国大使館の敷地(2018年10月撮影)

突然のスコールとプール

部屋でしばらく休んだあと、プールサイドで夕焼けを楽しみに行きました。小さなインフィニティプールで、本格的に泳ぐには物足りないかもしれませんが、水辺でリラックスしながらゆっくりとするのにはとてもいい雰囲気です。

パークハイアット・バンコク プール
サンセットタイムのインフィニティプール

日が暮れたら最上階のルーフトップバーに行って、夕食もそこで食べようと計画していたのですが、まさかの激しいスコールが降り始めてしまいました。

ペントハウス・ルーフトップバー
ペントハウス・ルーフトップバー

確認したところ、やはりルーフトップバーはクローズになっているとのこと。最上階にはグリルレストラン「ペントハウス(Penthouse)」もあり、併設のバーも素敵なので迷っていたところ、コンシェルジェの方から、メインダイニングの「ザ・エンバシー・ルーム(The Embassy Room)」もおすすめですよと声をかけていただき、ディナーに行ってみることにしました。

パークハイアット・バンコク バー
屋内のペントハウス・バー

イタリア人シェフによる「ザ・エンバシー・ルーム ラ・マリーナ」

ザ・エンバシー・ルームは、ホテルの朝食会場にもなるオールデイダイニングです。オープン当初にも利用したことがありますが、その時は特別強い印象は残りませんでした。

ただ、以前はスペイン料理でしたが、今回はイタリア料理に変わっていました。聞けば少し前からプーリア州ジェノア出身の新しいシェフに替わったとのことです。

パークハイアット・バンコク ザ・エンバシー・ルーム
イタリア人シェフに替わったザ・エンバシー・ルーム

それほどお腹が空いていたわけではなかったので、ラグーソースのペンネを一品だけ注文しました。パスタはグルテンフリーにも対応しています。

まずアミューズのトマトのスープ。ほんのり温かなそのひとくちで、料理への期待が高まりました。

次に、パンがオリーブオイルとバルサミコビネガーと共にサービスされました。オリーブオイルはシェフの出身地でもあるプーリアの老舗メーカー「ムラーリア」のもの。口に含んだ瞬間、香りの濃厚さで最上級のものだとすぐにわかりました。

ムラリア・オリーブオイル
陶器のボトルに入ったムラリアのオリーブオイル

そしてラグーのペンネが運ばれてきました。ひとくち食べて、思わず涙腺が緩みそうになるほど感動しました。ホロリと煮崩れるビーフ、素朴な味わい、絶妙に仕込まれた胡椒がまるで宝石のようにきらりと味を引き締めています。

高級ホテルのダイニングというと、見た目の美しさは申し分なくても、味は「一定レベル以上」で落ち着いていることも少なくありません。しかしこの一皿は違いました。見た目は素朴なイタリアの家庭料理でありながら、その完成度は本物です。街中の本格的なイタリア料理店として独立していても十分に評価されるレベルだと思います。

食事のあとキッチンに立ち寄り、シェフにイタリア語で挨拶をして、幸せな気分で部屋に戻りました。バスタブでゆっくりお湯に浸かり、ふかふかのベッドでぐっすりと眠りました。

ザ・エンバシー・ルーム
ザ・エンバシー・ルームの絶品パスタ

朝のワイヤレス通り散策

翌朝、少し早めに起きてホテルのあるワイヤレス通りの散歩に出かけました。

ホテルのそばには、かつてこの地域の土地開発を行った名門ナイラート家の旧邸宅を取り囲む公園があり、一般公開されています。

ナイラート公園
名門ナイラート家の旧邸宅

旧英国大使館が更地になってしまった今、この敷地はワイヤレス通り北側の貴重な緑地となっています。ガーデン内には最近開業したアマン・ナイラート・バンコクも佇んでいます。

早朝の公園は人気がなく、樹齢を重ねた木々の間を静かで爽やかな空気が流れていました。

さらに北に歩いて、運河の船着場まで足を延ばしてみました。高層ビルの立ち並ぶ洗練されたワイヤレス通りのすぐそこに、急にローカル色が強まる風景が広がります。

バンコクの発展と格差、重なり合う時間の層が、ここでは鮮やかに対照をなしています。この運河を運行するボートに乗れば、旧市街にアクセスすることもできます。

センセープ運河 ワイヤレス桟橋
洗練されたワイヤレス通りにあるローカルな桟橋

ザ・エンバシー・ルームで朝食

ホテルに戻り、セミビュッフェスタイルの朝食をいただきました。

朝食会場は、ザ・エンバシー・ルームだけでなく、隣にあるラウンジ「ザ・リビング・ルーム(The Living Room)」やプールサイドのテーブルでもいただけます。

パークハイアット・バンコク ザ・リビング・ルーム
朝食会場にもなるザ・リビング・ルーム

ビュッフェテーブルからヨーグルトやフルーツを選び、テーブルでオムレツと野菜ジュース、さらにマンゴー・スティッキーライスをトッピングしたフレンチトーストをオーダーしました。

パークハイアット・バンコク フレンチトースト
マンゴーと餅米をトッピングしたオリジナルのフレンチトースト

料理の種類も豊富で全体的な質も高く、どれも美味しそうだったのでついつい食べ過ぎてしまい、後で少し後悔したほどです。

パークハイアット・バンコク 朝食ビュッフェ
美しいセッティングのビュッフェテーブル

パークハイアット バンコクのウェルネス

今回の滞在中には利用しませんでしたが、パークハイアットには、タイを代表するオーガニックスパブランド「パンピューリ」の直営スパがあり、サウナやジャクジーなどを利用することもできます。

パンピューリ・オーガニック・スパ
パンピューリ・オーガニック・スパ

パンピューリの直営ホテルスパとして展開しているのは現在ここだけで、その点でも注目の施設です。

以前利用した時のレビュー記事もありますので、ご興味のある方は合わせてご覧ください。

パークハイアット バンコク パンピューリ スパ パークハイアット バンコク パンピューリ スパ|白のミニマリズムが生む、オーガニックの聖域

宿泊総評:「好き」と「良い」は違う

今回初めて宿泊して感じたのは、パークハイアット バンコクが非常に完成度の高い都市型ラグジュアリーホテルであるということです。

建築、インテリア、客室、サービス、レストラン。そのすべてに一貫した哲学があります。

過剰な演出に頼らず、本質的な上質さを追求している姿勢は、滞在を通じてじわじわと伝わってきました。

パークハイアット・バンコク フロントレセプション
完成度の高い都会型ラグジュアリーホテル

一方で私は、水辺や緑に囲まれたホテルを好む傾向があります。リバーサイドのホテルや庭園を持つホテルに強く惹かれます。そのため個人的な好みだけで言えば、別のホテルを選ぶこともあるでしょう。しかしそれとホテルの評価は別です。

パークハイアット バンコクは、都会的ラグジュアリーを求める方にとって非常に魅力的な選択肢です。

特にプルンチットという立地、洗練された空間、そして現在のザ・エンバシー・ルームのイタリア料理は高く評価できるポイントだと思います。

パークハイアット・バンコク
バンコクの洗練を体験したい方におすすめしたい

タイらしいリゾート感を求める方には好みが分かれるかもしれません。

しかし国際都市バンコクの洗練を体験したい方であれば、その魅力を十分に感じられるホテルではないでしょうか。

最初はどこかそっけないと感じたサービスも、滞在するうちに、「必要以上に立ち入らない、距離を置いた上質さ」として理解できるようになりました。じわじわと良さがわかるホテルです。

パークハイアット バンコクの基本情報

Park Hyatt Bangkok
住所:88 Wireless Road, Lumpini, Pathumwan, Bangkok 10330
アクセス:BTSプルンチット駅より徒歩5分(セントラルエンバシー直結)

パークハイアット バンコクのマップ

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