※当サイトにはアフィリエイトリンクを含むページがあります。リンク先の予約サイトでホテルやツアーを予約された場合、当サイトが紹介料を受け取ることがあります。
パンガー県北部、ラノーン県との境に近いアンダマン海に浮かぶプラトーン島。Googleマップで島めぐりをしていた時に偶然見つけたこの島には、タイで唯一のサバンナが広がっているということを知り、俄然興味が湧きました。
調べるうちにババ・エコロッジ(Baba Ecolodge)というリゾートで、サバンナツアーをはじめ周辺の島を巡るツアーをアレンジしていることがわかり、ツアーを目的に3泊4日で滞在することにしました。
ホテルの宿泊記は別記事にまとめていますので、この記事ではホテルがアレンジする2つのツアー体験についてご紹介します。
プラトーン島とラ島——対照的な2つの島
プラトーン島とラ島は、パンガー県のアンダマン海沿岸に南北に並ぶ大きな島です。クラブリーの桟橋から船でプラトーン島へ向かう際、2つの島の間の海峡を通るのですが、右側に見えるラ島はこんもりと緑が繁る山がちな地形で、左側のプラトーン島は山がほとんどない平坦な地形。その対称性が一目でわかるほど鮮やかな対比でした。

面積88km²のプラトーン島は、パンガー県最大の島です。東海岸はマングローブ、西海岸は白砂ビーチ、そして島の中央部にはアフリカのサバンナを思わせる草原地帯という、3つのまったく異なる生態系が一つの島に共存しています。

一方のラ島は、島のほぼ全域が野生生物保護区として保護された手つかずの熱帯雨林に覆われています。観光開発とは無縁の、原生の自然が残る島です。

2つの島はラ島・プラトーン島諸島国立公園の一部として保護されていますが、その歴史には深い傷もあります。2004年のスマトラ島沖地震による津波は、この2つの島にも甚大な被害をもたらしました。村が全滅した地域もあり、かつて1000人以上いた住民の多くが島を離れ、今では数百人にまで減ってしまったといいます。ババ・エコロッジも津波によってすべての施設が流失し、その後再建されて現在に至ります。
プラトーン島とラ島の位置
プラトーン島サバンナツアー——夜明けの草原へ
サバンナツアーは朝日が見える時間帯を選びました。まだ薄暗い夜明け前に起き出し、ピックアップトラックの荷台に設けられた座席に乗り込みます。ドイツ人のカップルも一緒です。車には野鳥観察用の図鑑と双眼鏡も用意されていました。地元出身のホテルスタッフがガイドを務めてくれます。

車が走り出すと、草原が広がり始めます。変わった樹形の木々が薄明かりの中にシルエットとして浮かび上がり、とても幻想的な光景です。アフリカのサバンナを実際に見たことはありませんが、ここがタイだとはとても思えません。まるで別の惑星に迷い込んだような不思議な感覚がありました。早朝ということもあり、鳥の声はまだ少なめです。

しばらく走っていると、別のホテルのツアーのグループとすれ違いました。草原の中で朝日を眺めながら朝食を楽しんでいます。やはり、サバンナツアーはプラトーン島のハイライトなのだなと思いながら通り過ぎました。

草原のところどころに、砂を大きく掘り返したような跡が残っています。錫の採掘跡です。ミャンマー南部からマレー半島にかけて続く錫鉱山の帯は、かつて世界の注目を集めました。イギリス植民地時代に採掘技術が高度化し、タイ南部でも一大産業となった歴史があります。この秘境の島でも採掘が行われていたといいますが、大規模な開発ではなく、島の人々による小規模なものだったようです。何もない草原の中に点在する掘削の跡が、この島にも近代の波が押し寄せていたことを静かに伝えていました。

1時間ほどサバンナを巡ったあと、瑞々しい緑の草地のそばで車が止まりました。乾いた大地が続く草原の中に突如現れるオアシスのような場所です。ここでホテルが用意してくれた朝食をいただきます。一緒に回ったドイツ人のカップルと、草原での朝食を共にしました。

帰路は太陽がすっかり高くなり、日差しも強くなっていました。そのぶん野鳥の活動も活発になり、美しい青い鳥が草原の上を飛んでいくのを見つけました。名前はわかりませんでしたが、その鮮やかな青さがいつまでも目に焼きついています。プラトーン島のサバンナは、静けさと不思議さが混在する、どこか夢の中のような場所でした。

ラ島ジャングルツアー——原生林と秘密のビーチ
ホテル滞在中は、プラトーン島から船でラ島へ渡るジャングルツアーにも参加しました。砂浜から小さなエンジンボートに乗り込み、地元出身のホテルスタッフ2人がガイドを務めてくれます。長袖・長ズボン・虫除けスプレーで完全防備して臨みました。

島の岩場に上陸すると、すぐにジャングルの中へと引き込まれます。人が歩いた痕跡がかろうじてわかる程度の獣道を、そろりそろりと進んでいきます。

アップダウンがあり、倒木や枝をかき分けながら歩く場面もありました。歩くこと自体はさほど難しくはありませんが、首に虫除けを塗り忘れていたのが大失敗で、容赦なく刺されてしまいました。赤アリがズボンの裾から侵入してくるのも想定外でした。虫除けは全身に、が鉄則だと思い知りました。

ガイドしてくれたホテルのスタッフは、2人とも地元の出身で、20年近くこのリゾートで働いているベテランです。ラ島のコースを知り尽くしており、歩きながら珍しいキノコや植物をその都度見せてくれました。

中でも印象的だったのが、野生のカシューナッツの実です。タイ南部を代表する名産品ですが、こんな山の中で木になっているのを間近で見たのは初めてでした。その実をガイドが集めて持ち帰り、翌日ホテルで焚き火で炒って食べさせてくれました。とても貴重な経験になりました。


1時間ほど歩くと、突然視界が開けました。木々の間から青い海と白い砂浜が飛び込んできます。誰もいないビーチです。ランチはホテルから持参していて、砂浜に広げてピクニックを準備してくれます。ホテルのプライベートツアーなので時間は自由です。泳いでもいいし、ただ休んでいてもいいと言われましたが、ひとつ問題がありました。トイレです。無人に近い場所でトイレはないと告げられ、少し早めに切り上げることにしました。

帰りも桟橋はありません。沖に停泊している船まで泳いで戻るのです。貴重品はビニール袋に包んでカヤックボードに乗せ、ボードの縁につかまりながら全員で泳ぎました。ジャングルを抜けた先の青い海を泳ぐ。しばらくぶりの小さな冒険に、少しだけ心が騒ぎました。早く帰りすぎたことを後で少し後悔しましたが、あの海の青さは記憶にしっかりと刻まれています。

まとめ——プラトーン島は「知る人ぞ知る」を超えた秘境
サバンナとジャングル、2つのツアーを通じて感じたのは、プラトーン島とラ島が観光地化される以前のタイの自然をそのまま残している場所だということです。整備されたトレイルもなく、売店もなく、トイレさえない。それでも、だからこそ、ここでしか出会えない景色と体験があります。

個人で手配するのが難しいルートを、島を知り尽くしたガイドとともに自分のペースで巡れるのは、ババ・エコロッジに泊まる最大の価値の一つです。どちらのツアーも2〜3時間を目安に、ゲストのペースに合わせて進めてくれるので、体力に自信がない方でも安心です。
パンガー県を訪れる際には、プーケットやカオラックだけで終わらせず、ぜひもう一歩北へ足を延ばしてみてください。この島が存在することを、もっと多くの人に知ってほしいと思います。
ババ・エコロッジの宿泊記はこちら
プラトーン島へのアクセスとツアーの手配
私はアゴダ経由で宿泊予約をしたあと、直接ホテルにメールで問い合わせて事前にツアー予約しておきました。アクセスはラノーン空港またはプーケット空港からのホテルの送迎を利用し、クラブリーの専用桟橋からボートで島へ渡ります。
Baba Ecolodge(ババ・エコロッジ)
場所:プラトーン島(パンガー県クラブリー郡)
営業期間:11月〜4月(雨季は休業)
公式サイト:
ババ・エコロッジの宿泊情報
※料金・条件は各予約サイトにてご確認ください。
タイランド画報 (ThailandGaho) 