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ローンシー・ポーチャナーは、バンコクに多く暮らす潮州系華人の庶民的な食文化を、モダンで洗練された料理に昇華させたレストランです。
屋台や市場の味を現代的に表現し、新たな魅力を引き出しています。
現在、バンコクに4店舗ありますが、そのうち3店舗はショッピングモール内で、独立店はナーンリンチー通りの1店舗のみ。
今回は、その唯一の独立店での食事を通じて、ローンシー・ポーチャナーの成り立ちと人気の理由をご紹介します。

ナーンリンチー店のあるサトーンエリアの魅力は、バンコク・シーロム&サトーン・ガイドでまとめてご紹介していますので、宿泊先やほかのスポット探しの参考にどうぞ。
なぜ「精米所」?ローンシー・ポーチャナーの幻の一号店
店名の「ローンシー」は、タイ語で「精米所」の意味です。その由来は、最初の店があった場所にあります。
ローンシー・ポーチャナーの一号店があったのは、チャオプラヤー川沿いの「Lhong1919」。100年前の古い倉庫を利用したコミュニティモールです。

この倉庫は、かつてタイに移住して、米貿易や精米業で成功を収めた潮州系華人であるワンリー家の倉庫でした。当時の潮州系華人には精米業で成功して財を成す人が多かったそうです。
つまり、店名には、潮州人のビジネスと、一号店があった倉庫の記憶が刻まれているのです。
残念ながら、このモールは再開発のためにクローズされ、ローンシー・ポーチャナーの一号店も姿を消してしまいました。それでも、店名には、今でも当時の記憶をとどめているのです。

その後はバンコク都内のショッピングモールに出店。なかでもランスワン通りのシントーンビレッジにあるコミュニティモール「ウェラー(Velaa)」の店舗は非常に人気です。(Velaaについての詳細はこちらのページで紹介しています)。

ナーンリンチー店の特徴:倉庫をリノベした唯一の独立店
ナーンリンチー店があるのは、ビジネス街サトーン通りの南方にある静かな住宅街です。「マーケットプレイス」という小規模なコミュニティモールの敷地内にありますが、古い倉庫を改装した独立店で、雰囲気は一軒家レストランそのもの。倉庫を生かした店づくりは、一号店と同じで、店名の記憶とも重なります。

店内に入ると、倉庫ならではの大空間を生かしたモダンなデザインに驚かされます。壁の一面に華人女性のアートが飾られ、洗練された雰囲気ですが、同じフロアのオープンキッチンをのぞくと、中華街の屋台でおなじみの七輪や土鍋が並んでいて、店内との雰囲気とのギャップに引き込まれます。

キッチンはガラス張りで、唐辛子やニンニクを炒める強烈な匂いが客席に広がらない工夫も現代的です。

店の奥には小さなガーデンがあり、街の喧騒を忘れてくつろげます。店内中央の螺旋階段を上がると、プライベートダイニングルームがあり、小規模な食事会などにも対応しているようです。


ローンシー・ポーチャナーのおすすめ料理
ローンシー・ポーチャナーでは、タイに移住した潮州系華人の食文化を反映した魅力的なメニューが揃っています。華人の食文化は、タイの食文化と融合して進化し、タイ社会に広く浸透しました。外国人である私たちには、どれがタイ料理でどれが潮州料理なのか、区別をするのも難しいくらいです。

なかでも特徴的なのが、中華粥「カオトムグイ」。お粥と一緒に、たくさんのおかずをいただくスタイルですが、もともとは、夜遅くまで働く華人の肉体労働者「苦力(クーリー)」の夜食だったと言われ、今もタイの夜食の定番です。

ローンシー・ポーチャナーでは、そんな庶民的な「カオトムグイ」を伝統的な調理法を守りながら、高級レストランの料理に相応しい1品に仕上げています。

シーフードを多く使う潮州料理をベースにした、中華系タイ料理も豊富です。どの料理もクオリティが高く、満足度の高い食事でした。中華料理も中華粥も、大勢で出かけて、いろんな種類の料理をシェアしながらいただくのがおすすめです。


もう一つの名物が、昔ながらのタイを知る人が懐かしむ「ビア・ウン」。ビールを凍らせてスムージー状にしたもので、氷入りのビールはよく見かけますが、ビア・ウンを出す店は珍しいので、ぜひ試してみてください。

まとめ:バンコクの食文化のルーツを探ろう
バンコクの歴史は、1767年のアユタヤ陥落後、潮州系華人の血を引くタークシン王が、トンブリーに都を置いたことに始まります。タークシン王の時代に多くの潮州系華人がタイに移民してきました。
その後、1782年にラーマ1世がチャオプラヤー川の東岸に遷都し、現在のバンコクが築かれたのです。こうした経緯から、バンコクには他の東南アジアの都市に比べて、潮州系華人のルーツを持つ人が多いのが特徴です。

標準化が進むタイ料理も、一つ一つの歴史をたどると、街の成り立ちや人々の移動、文化の変容が見えてきます。ローンシー・ポーチャナーは、そんなバンコクの潮州系華人文化を、食を通して味わえる、非常に面白いコンセプトのレストランだと思います。

ローンシー・ポーチャナー(ナーンリンチー店)の基本情報
Rongsi Pochana
住所:59 Nang Linchi Rd, Chong Nonsi, Yan Nawa, Bangkok 10120 Thailand
アクセス:BTSチョンノンシー駅より車で12分
営業時間:10:00〜22:00(定休日なし)
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