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トンローで今もっとも注目されている隠れ家レストランをご存知でしょうか。バンコク・トンロー界隈で急速に話題を集めているタイ料理店「Baan Lamyai(バーンラムヤイ)」は、トンローソイ18にある古いコンドミニアムの中にひっそりと潜んでいます。看板も案内板もなく、知らなければ絶対にたどり着けない、まさにシークレットレストランというべき存在です。
トンロー・エリアを含むスクンビット周辺のホテルや観光スポットについては、「バンコク・スクンビット・ガイド」もあわせてご覧ください。
トンロー警察署の裏、古いコンドミニアムへ
お店があるのは、トンロー警察署のすぐ裏手に建つ「トンロータワー」。AとBの2棟からなる古い大型コンドミニアムで、その外観にはレストランらしい気配がまったくありません。ちなみに近くには、2025年3月に起きたミャンマー地震の揺れで連絡橋が崩落したコンドミニアムのショッキングな姿もあり、このエリア全体が独特の空気感をまとっています。

「Baan Lamyaiがコンドミニアムの中にある」とは聞いていたものの、詳しい情報がなかなか見つからず、おそるおそるA棟の入り口へ。まずは警備員さんにレストランへ行きたいと告げると、「奥のB棟へ」と言われました。駐車場を横切ってB棟のロビーへ到着し、今度はそちらの警備員さんに身分証を見せようとすると、「レストランに行くだけなら必要ありません」とのこと。


でも、1階のロビーのどこを見渡してもレストランらしいものは何もありません。さすがに首をかしげていたところ、ロビーの一角に、少し不思議な存在感を放つ木の扉を発見。そういえば、SNSで誰かが投稿していたBaan Lamyaiの写真に、こんな扉が写っていたような気がする…。「あ、これだ!」と閃きました。

扉を開けた瞬間の感動
ここ数年、バンコクでは「シークレットバー」なる文化が広まっています。看板も案内も一切なく、知っている人だけがたどり着ける秘密の場所。Baan Lamyaiは、さしずめシークレットレストランというべき存在でしょう。木の扉の前に立っても、その向こうに本格的なレストランがあることを示す手がかりは何一つありません。


ところが扉に近づいてそっと押し開けると、賑やかな人々の歓談の声が一気に溢れ出してきました。やっとたどり着いたという小さな感動があります。コンドミニアムの一室を改装した小さなエントランスホールを挟んで、右側にはバーカウンター、左側にはオープンキッチンを備えたダイニングルームがあります。どちらも狭いスペースにテーブルがぎっしり並び、満席の熱気と人の気配でいっぱいでした。


シェフ・チャリタの物語
案内されたのは、左のオープンキッチン側。キッチンの様子がよく見えるカウンター席でした。
厨房の中心にいるのは、このBaan Lamyaiのオーナーシェフ、チャリタさん(愛称:トゥーさん)。実はこの場所は、彼女が幼少期を過ごしたコンドミニアムそのものです。フランスに渡って料理を学んだ後、タイ料理を本格的に学び直すためにベテランシェフのもとで修業を重ね、各地のワインバーやレストランでポップアップを重ねてきました。そしてついに、自分が育った場所を改装し、敬愛するお祖母様の名前「ラムヤイ(ロンガンという意味)」を冠したレストランをオープンしたのです。

キッチンを動き回る5人の若い男性の調理人は、腕にタトゥーが入ったイマドキのタイ人たち。ベテランシェフのレストランにありがちな気取りは皆無で、客席を見渡してもタイ人の若者が中心。ラフなのにおしゃれで、トンローのトレンド感がそのままレストランになったような、新感覚の空間でした。

参考サイト:Baan Lamyai ร้านอาหารไทยสุดโฮมมี่ รสมือเชฟตู่ ย่านทองหล่อ|The Standard
料理レビュー:タイ料理の”再構築”に驚く
メニューはアラカルトの家庭的なタイ料理が中心で、前菜、メイン、デザートに加え、本日の特別メニューが黒板に書かれていました。品数は絞られていますが、どれも選び抜かれた印象です。この日は3人で数品をシェアしました。
ラープ風手羽先の骨なし餅米詰め/ปีกไก่ลา(บ)ภ ข้าวเหนียว น้ำปลาหวาน
ラープ(タイ北部の肉料理)の味付けで揚げた手羽先は、通常は餅米と一緒に食べるものですが、こちらでは骨をすべて取り除いた中に餅米を詰め込んだ一品に仕上げられています。手間のかかった遊び心あふれる再構築に、思わず唸ってしまいました。

フルーツのヤム ロンガン・ローズアップル・ライチ・ポメロ/ยำผลไม้ ลำไย, ชมพู, ลิ้นจี่
通常はポメロだけで作るフルーツのヤム(スパイシーサラダ)に、ロンガン・ローズアップル・ライチをふんだんに加えたスペシャルバージョン。スパイシーなドレッシングとみずみずしいフルーツの組み合わせが、予想以上に完成されています。お店の名前にもなっているロンガン(ラムヤイ)がここにも生きていました。

豚の喉肉の炭火燻製焼き、未熟マンゴーとタマリンドソース/คอหมูย่างรมควัน ยำมะม่วงแรด ซอสมะขาม
キッチンでは炭火を使った昔ながらの焼き方でお肉を調理しており、その燻香が食欲をそそります。未熟マンゴーの酸味とタマリンドの甘みが脂をすっきりと切り、他では食べたことのない絶妙な味わいです。

スパイシー海老サラダ/พล่ากุ้งก้ามกราม สะดุ้งไฟ พริกขี้หนู 100 เม็ด
生の川海老の甘みを活かしたプラー(タイ風スパイシーサラダ)です。新鮮な海老にパクチーをたっぷりとのせ、その名の通り唐辛子を100粒という豪快なビジュアルで登場します。海老本来の甘さとチリの強烈な辛さが真正面からぶつかり合う、このお店の「容赦しない」姿勢がそのまま皿になったような一品でした。

ヤギ肉とドライロンガンのジャワ風カレー、ターメリックライス添え/แกงแขกแพะ ลำใยอบแห้ง ข้าวมันขมิ้น
ジャワ風カレーは東南アジアのイスラム系ルーツを持つ料理で、タイ料理の中でも比較的珍しい一品。ヤギ肉のうまみとドライロンガンの自然な甘さが溶け合い、黄色く色づいたターメリックライスとの組み合わせはひと口ごとに驚きがありました。

スペシャル:牛肉(トモサンカク)のグリル、花椒ソースとスパイシーなタイ風ディップ/เนื้อหางตะเข้ แจ๋ว พริกย่าง น้ำปลา มะแขว้น
黒板スペシャルから選んだこちらは、トモサンカクを炭火でグリルし、花椒が利いたつけだれとタイ風ピリ辛ディップの2種類のタレが添えられます。お肉が香ばしくて柔らかく、タイ料理の枠を軽やかに超えた自由な発想で、このお店のセンスが凝縮された一品でした。

デザート:モーケーンとローストココナッツクッキー/หม้อแกงบ้านลำไย คุกกี้มะพร้าวคั่ว
タイの伝統的なプリン「モーケーン」と、香ばしく焼いたローストココナッツクッキーの組み合わせで締めくくり。なめらかで濃厚なプリンにクッキーのサクサクした食感が加わり、シンプルながら記憶に残る終わり方でした。

知っておきたい実用情報
Baan Lamyaiへ行く前に、いくつか押さえておきたいことがあります。
営業は木曜〜日曜の17:30〜24:00(月〜水曜定休)。週4日のみの営業です。予約はできますが、デポジットの支払いは不要とのこと(同行の友人談)。最近のバンコクの人気レストランはデポジット制が増えているだけに、これは嬉しいポイントです。ただし、1組につき2時間の時間制限があります。支払いはクレジットカード不可で、現金または銀行振込(QRコード決済)のみとなっていますのでご注意を。この日の食事料金はお料理のみで1人あたり1,300バーツほどでした。
トンローの進化を体験するレストラン
トンローは、トレンディでおしゃれな店が集まる、バンコク在住者にも旅行者にも人気のエリアです。コンドミニアムに潜むシークレット感、幼少期の記憶をタイ料理で表現するシェフの物語、若いエネルギーに満ちた厨房「Baan Lamyai」は、単なる美食体験ではなく、場所と人の物語を感じるお店でした。
隠れ家をやっと見つけ出したときの小さな感動、満席の熱気、炭火の香り。旬なトンローの雰囲気を満喫できるお店でした。

BAAN LAMYAI(バーンラムヤイ)の基本情報
BAAN LAMYAI (บ้านลำไย)
住所:Thonglor Tower B, ซอยทองหล่อ 18, Bangkok
営業:木〜日曜 17:30〜24:00(月〜水曜定休)
支払い:現金・銀行振込(QRコード)のみ ※クレジットカード不可
予約方法:InstagramのDMから(デポジットなし)、1組2時間制
Instagram: @baanlamyai
タイランド画報 (ThailandGaho) 