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ランスアンの「Velaa Sindhorn Village(ウェラー・シントーン・ビレッジ)」は、高級住宅街「Sindhorn Village(シントーン・ビレッジ)」に隣接する、レストランやショップが集まるスタイリッシュな複合施設。
ここにあるのが、プリン・ポンスック氏が手がける革新的なタイ料理店「Vilas(ウィラート)」です。
以前からプリン・シェフの新しい試みとして気になっていたVilasを、2026年8月に初訪問。まず驚いたのは、スーパーマーケットの隣という意外なロケーションでした。一見ファインダイニングのレストランには見えないものの、料理は一転。
伝統的なタイ料理をベースに、海外の食材や自由な発想を取り入れたクリエイティブな料理が登場し、そのギャップが印象的でした。

Vilasのあるチットロム・プルンチット周辺の情報は、バンコク・チットロム&プルンチット・ガイドもご覧ください。
Vilas(ウィラート)のロケーション|ファインダイニングらしからぬ地下フロア
Vilasがあるのは、Velaa Sindhorn Villageの地下、スーパーマーケットが入る地下1階のフロア。エスカレーターを降りるとすぐ目の前にヴィラ・マーケット(Villa Market)というスーパーマーケットが見えてきます。同じフロアには、おしゃれな雰囲気ながらもカジュアルな飲食店が並んでいて、その中の一つがVilasです。

ファインダイニングと聞いて想像するような格式あるエントランスとは少し趣が異なり、外から店内の様子が見えるオープンな造りでした。

店内は明るい色づかいでポップなインテリアですが、よく見ると、伝統的なタイの保存食が入った瓶がずらり。さりげなく並べられた瓶からも、料理に使う素材へのこだわりが感じられます。
気軽な雰囲気のロケーションからは想像できない料理の世界。そのギャップも、Vilasの面白さのひとつです。

Vilas(ウィラート)が描く、ラーマ5世の旅から生まれたタイ料理
Vilasは、伝統的なタイ料理に世界の食材や現代的な技法を掛け合わせる「Neo-Thai Cuisine」を掲げるレストラン。店名には「異国」を意味する「วิลาศ」と、「魅力・美しさ」を意味する「วิลาส」の二つの意味が込められています。
着想の背景にあるのは、ラーマ5世(チュラロンコーン王)の1897年ヨーロッパ訪問。異国からもたらされた食材や調理法がタイ料理に取り入れられた歴史を、現代の料理として再解釈しています。
季節ごとにタイ各地の食文化や少数民族に伝わる味を取り上げ、伝統の知恵を残しながら新しい表現へ。タイ料理のルーツを感じながら、現代ならではの自由な発想も楽しめる、新しいチャレンジングなレストランです。

Vilasの2人のシェフ|伝統を掘り下げる人と、世界の技法を知る人
Vilasの料理は異なるフィールドのシェフ2人のコラボレーションによるものです。まず、タイ料理の伝統を深く掘り下げながら洗練された料理として再構築するプリン・ポンスック氏。そして、国際的なファインダイニングの経験を持つナット・バンティダー・キットロニー氏です。
北タイの農家に生まれたプリン氏は、マンダリン・オリエンタル・バンコクのキッチンからロンドンに渡り、世界で初めてミシュランの星を獲得したタイ料理レストラン「ナーム(Nahm)」での経験を経て、バンコクに「Nahm」凱旋オープンさせ、2017年には独立して「サムラップ・サムラップ・タイ(Samrub Samrub Thai)」を開業。タイ各地を巡り、忘れられた郷土料理や在来食材を掘り起こし、伝統料理を現代に伝えてきました。

一方、ナット氏はミシュラン一つ星のフレンチ、和食レストランで技術を磨き、2024年にVilasへ。タイ料理への深い理解と国際的な技法を融合させ、プリン氏とともにVilas独自のネオ・タイ・キュイジーヌ(Neo-Thai Cuisine)を生み出しています。
この二人のシェフの異なる経験の融合が、まさに店名のコンセプトなるタイ料理のルーツと異国の料理の出会いとなっているのです。

Vilasのメニューを実食|二人でシェアした、アラカルト全7品
Vilasではセットメニューはなく、アラカルトのみ。メニューの写真を見ながら、一品ずつ料理を選んでいきます。
今回は、お店の方におすすめを聞きながら、二人で全7品を注文。シェアしながらいただきました。
前菜|ナムプリックがカナッペに、ワカモレがタイ風に
まずは前菜から2品。
ひと皿目は、カニ肉とカニの卵を使ったナムプリックを苦瓜のクラッカーで挟んだ、カナッペのような一品です。
Blue Swimming Crab Relish with Bitter Melon Cracker (ข้าวเกรียบมะระน้ำพริกไข่ปู)
見た目はまったくタイ料理らしくありませんが、一口食べると、しっかりとナムプリックの辛さが広がります。モダンな姿からは想像できない、タイ料理らしい味わいです。

続いては、アボカドに野菜やフルーツのスライスを大胆に盛り付けた、タイ風のワカモレディップ。
Durian Cracker with Seasonal Fruit Guacamole(ข้าวเกรียบทุเรียน ยำผลไม้)
アボカドには唐辛子が練り込まれ、さらにタイの伝統的な野菜の漬物も加えられています。そこに季節のフルーツを合わせるという、大胆な発想のフュージョン。ドリアンのカリカリとしたクラッカーにのせていただくと、これがとても美味しい。

メイン料理|古典的カレーに、意外な食材を合わせて
メインには、マテガイを使ったラウェーンカレーを。
Rawang Curry of Razor Clam(แกงระแวงหอยหลอด)
古典的なカレーに、マテガイという珍しい食材を組み合わせた一品です。伝統的な料理をそのまま再現するのではなく、食材の組み合わせを変えることで、新しい料理に仕立てています。
付け合わせには、キャベツのナンプラー焼き。
Grilled Cabbage with Fish Sauce(กะหล่ำปลีย่างน้ำปลา)
タイ料理ではおなじみのナンプラーを使った料理ですが、ウィラートらしいひと手間が加えられています。焼いたキャベツの甘みとナンプラーの独特の風味がよく合い、シンプルながら印象に残る味わいです。

そして、熟成したショートリブのグリル。
Grilled Fermented Short Rib(แหนมซี่โครงย่าง)
こちらも一見すると西洋料理のように見えますが、添えられているのはタイのハーブや保存食。さらに、皿に装飾のように散りばめられたスパイスが、料理をタイらしい味わいへと導きます。
柔らかく仕上げられた肉の食感や絶妙な火入れからも、調理技術の高さが伝わってきます。

アラカルトとはいえ、料理によっては一品の価格が意外と高め。何も考えずに選んでいると、あっという間にセットメニュー並みの金額になってしまうので、品数や料理の価格を確認しながら選ぶのがおすすめです。
Vilasの魅力|気軽なロケーションと創造性の高い料理
どの料理もクリエイティブで、タイ料理をベースに海外の食材やさまざまな技法を取り入れた、自由な発想が印象的でした。
見た目の美しさだけでなく、味の組み合わせも巧みで、どの料理もしっかり美味しい。食べ進めるたびに新しい発見があり、二人でシェアしながら、最後まで料理を楽しむことができました。
そして何より印象に残ったのが、ロケーションとのギャップです。スーパーマーケットの隣という意外な場所にあり、外から見るとファインダイニングとは少し趣が異なります。ところが料理が運ばれてくると、そこには創造性にあふれた料理の世界が広がります。
気負わずに訪れられる場所にありながら、料理は一皿一皿が丁寧に作り込まれていて、食事としての満足感もしっかりあります。この意外性も、Vilasならではの魅力だと感じました。

Vilas (ウィラート)の基本情報
Vilas / วิลาส
住所:Velaa Sindhorn Village, 87 Lang Suan Rd, Lumphini, Pathum Wan, Bangkok 10330
アクセス:BTSチットロム駅から徒歩10分
営業時間:ランチ11:00〜15:00 (木曜から日曜のみ)
ディナー17:00〜23:00(毎日営業)
公式サイト:https://www.vilasbangkok.com
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