
歴史と現代が交差する都市、バンコク
東南アジア屈指の大都市でありながら、いまも王宮と寺院を中心に歴史が息づく街、バンコク。きらびやかな黄金の仏塔、チャオプラヤ川を行き交う船、高層ビル群と巨大ショッピングモール——この都市では、伝統と現代が違和感なく同居しています。初めて訪れる方にとっては見どころが多く、どこから旅を組み立てればよいのか迷うこともあるでしょう。
本ガイドでは、エリア、グルメ、ホテル、体験、モデルプランまでを体系的に整理。大人の旅にふさわしい、落ち着きと上質さを意識したバンコクの楽しみ方をご紹介します。
バンコクの都市の輪郭
タイの首都バンコクは、歴史と文化の中心であると同時に、経済やビジネスの拠点でもあります。1782年にラタナコーシン王朝が開かれ、王宮が築かれて以来、バンコクは王都として発展してきました。現在も王宮周辺は、タイを象徴するエリアのひとつです。
市内を流れるチャオプラヤ川は、かつて交易の動脈として栄え、都市の発展を支えてきました。川をはさんで西岸のトンブリー地区と東岸のプラナコン地区に分かれていますが、主要な観光地や商業エリアの多くは東岸に広がっています。
約250年のあいだに、街は王宮を起点に東へと拡張してきました。そのため、エリアごとに街並みの雰囲気がはっきりと異なります。歴史ある旧市街では寺院や伝統的な建物が並び、少し離れると高層ビルや巨大ショッピングモールが立ち並ぶ近代的な景色へと変わります。
滞在するエリアによって、体験できるバンコクは大きく変わります。寺院巡りを楽しむのか、ショッピングを中心に回るのか、ホテル滞在をゆったり満喫するのか。目的に合わせて拠点を選ぶことが、バンコク旅行を充実させるポイントです。
エリアで選ぶ
バンコクでは、滞在するエリアによって街の表情が大きく変わります。
ここでは、旅行者が拠点にしやすい主要エリアを5つに分けてご紹介します。
なお、これらのエリアは、王宮が築かれた旧市街から現在の商業中心地へと、都市が拡張してきたおおよその年代順に並んでいます。街の広がりを意識しながら眺めてみると、バンコクの発展の流れも見えてきます。
■ 旧市街(王宮周辺)
ワット・ポーやワット・アルン、王宮など、バンコクを象徴する歴史的建造物が集まるエリアです。寺院巡りを中心に、タイの伝統文化に触れたい方におすすめです。
■ リバーサイド
チャオプラヤ川沿いに広がる、開放感あふれるエリア。
アイコンサイアムやアジアティーク、中華街などがあり、昼夜を問わず楽しめます。川沿いホテルに滞在すれば、バンコクらしい景色を満喫できます。
■ シーロム・サトーン
バンコクのビジネス街として発展してきたエリア。
交通の利便性が高く、都会的なホテルやスパも充実しています。観光と都市滞在をバランスよく楽しみたい方に向いています。
■ サイアム・チットロム
大型ショッピングモールが集まる、バンコク随一の商業エリア。
買い物やグルメを中心に滞在したい方に最適です。高級ホテルも多く、洗練された雰囲気があります。
■ スクンビット
BTS沿線に広がる利便性の高いエリア。
レストランやカフェが豊富で、日本人旅行者にも馴染みやすい地域です。初めてのバンコク旅行でも安心して滞在できます。
バンコクのグルメ
ローカルな屋台からミシュランガイド掲載の三つ星レストランまで、バンコクの食の多様性は目を見張るほどです。伝統的なタイ料理はもちろん、国際都市ならではの幅広い食文化も楽しめます。
さらに、おしゃれなカフェやアフタヌーンティーなど、写真映えするスポットも充実。食事そのものが旅の目的になる街です。
■ 伝統タイ料理
王宮文化の影響を受けた宮廷料理から、地方色豊かな郷土料理まで。
■ モダンタイ料理
伝統を再解釈した創作系レストランや話題店。
■ 予約の取れないレストラン
■ 屋台・ローカル食堂
市場や路地裏で出会う、地元の人に愛される味。
■ アフタヌーンティー
高級ホテルや話題のカフェで楽しむ優雅なひととき。
■ カフェ
デザイン性の高い空間や個性派ロースターなど、多彩な選択肢。
バンコクのホテルを選ぶ
バンコクは世界有数の観光都市として知られ、世界中から旅行者が集まります。新しいホテルも次々に開業し、街の景色とともに滞在の選択肢も常にアップデートされています。
その数の多さゆえに、ホテル選びは簡単ではありません。まずは滞在したいエリアを決め、そのうえで旅のスタイルや予算に合ったホテルタイプを検討するのがおすすめです。
ホテルは単なる宿泊先ではなく、都市の文化を体験する場でもあります。建築様式やインテリア、提供される料理やサービスの背景には、タイらしい美意識やホスピタリティが息づいています。
■ エリアで選ぶ
滞在エリアによって、旅の印象は大きく変わります。観光重視か、ショッピング中心か、静かに過ごしたいか。まずは拠点を決めましょう。
■ ホテルのタイプで選ぶ
・ラグジュアリーホテル
世界的ブランドやリバーサイドの名門ホテルなど、非日常を味わう滞在。
・デザインホテル
建築やインテリアにこだわる、感性に響く空間。
・ブティックホテル
規模は小さくても個性が光る、洗練された滞在。
・アーバンリゾート
都会にいながらリゾートのようにくつろげるホテル。喧騒から少し距離を置き、「何もしない贅沢」を楽しむ滞在。
バンコクでの体験
バンコクの魅力は、壮麗な寺院や歴史ある街並みに代表される伝統文化と、首都として発展を続ける大都市の活気を、同時に味わえるところにあります。
タイマッサージやルーフトップバーは、バンコク観光の定番ともいえる体験です。初めてタイを訪れる人はもちろん、何度も訪れているリピーターにとっても外せない人気のアクティビティとなっています。
目的に合わせて体験を選べば、バンコクの楽しみ方はさらに広がります。
■ ルーフトップバー
■ スパ・マッサージ
伝統的なタイマッサージから高級ホテルスパまで幅広く、滞在スタイルに合わせて楽しめます。
■ 歴史と文化
寺院巡りや伝統工芸、博物館などを通して、タイの歴史や信仰、美意識に触れることができます。
■ ショッピング
大型ショッピングモールからローカル市場まで選択肢は豊富。お土産探しにも困りません。
■ バンコクの日常
市場やストリートを歩けば、日常のバンコクの空気を感じられます。観光地とは少し違う表情に出会えるのも魅力です。
■ バンコク近郊の見どころ
日帰りや1泊で足を延ばせるスポットも豊富です。歴史都市アユタヤやビーチリゾートのパタヤなど、都市とは異なる景色が広がります。
バンコク旅行モデルプラン
初めてのタイ訪問者向け、王道3泊4日モデルをまとめました。滞在はマンダリン・オリエンタル・バンコクを想定しています。
1日目|バンコク到着
朝のフライトで日本を出発。夕刻ホテルにチェックイン。
夜|ホテル内またはリバーサイドの名店でディナー
あらかじめ予約しておいたレストランで落ち着いた夕食を。
マンダリンオリエンタル内のレストランは、旅のハイライトになります。
2日目|王宮とリバーサイドの夜
午前|旧市街へ
・王宮
・ワット・ポー
・ワット・アルン
タイ王国の歴史と信仰の中心を巡る王道コース。
暑さと混雑を避けるため、朝早めの出発がおすすめです。
午後|ホテルでひと休み
リバーサイドに戻り、チェックイン。
チャオプラヤ川を望む客室やプールでクールダウン。
夜|チャオプラヤ川ディナークルーズ
ライトアップされた寺院群や川沿いの景色を眺めながらのディナー。
水上から眺める夜のバンコクは、昼間とはまったく異なる表情を見せます。
3日目|アユタヤで歴史に触れる
午前|アユタヤへ(専用車または半日ツアー)
世界遺産の古都
アユタヤ
遺跡群や仏塔が残る歴史公園を散策。
王朝の栄華とビルマ侵攻の歴史を感じられる、タイ理解の鍵となる場所です。
※所要:約4〜6時間
※暑さ対策は必須
午後|バンコクへ戻る
ホテルで休憩。スパやリバーサイドテラスでゆったり。
夕刻|サトーンのルーフトップバーでサンセットを見ながら一杯
夜|ミシュランレストランでモダンなタイ料理のディナー
4日目|都市の洗練を楽しむ
午前|ショッピングエリアへ
サイアムやチットロム周辺でショッピング。
クリエイティブな建築空間が楽しめるモールで、バンコクの都市文化も体験。
午後|ホテルのアフタヌーンティー
時間に余裕があれば、優雅なアフタヌーンティーもおすすめ。
帰国前|タイマッサージ
本場のタイマッサージで旅の疲れを整え、空港へ。深夜便で帰国。
まとめ
バンコクは、一度の滞在では語り尽くせない多層的な都市です。王宮と寺院が語る王朝の歴史、川沿いに広がる優雅な時間、洗練されたショッピングエリア、世界水準のグルメ、そして個性豊かなホテル。それぞれが独立しているようでいて、実は緩やかにつながって、街全体を形づくっています。
何を目的に訪れても、必ず別の魅力に出会ってしまう——その奥行きこそが、この都市の本質です。気づけばまた戻ってきたくなる。バンコクの魅力にとらわれ、何度も通う人が現れるのも納得できるはずです。
タイランド画報 (ThailandGaho)